建築をまなぶ旅(日本)

内子の夜

土壁のことを勉強に、内子の矢野左官さんへ。
重要文化財の改修にも携わっておられる氏。
たくさんの時間を頂きました。ありがたいこと。
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表へでると、陽が落ちてすっかり夜に。
昼しかみたことのなかった内子の町並みはしっとり。夜も良かった。
必要以上にてらさないこと。
心地よい暗さでした。
 
 
keep smiling!
奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2017.2.8

重みのある建築

宇和町での打ち合わせ終わりに、愛媛県歴史文化博物館へ。1994年竣工。
見たい見たい、と思いつつも、今回が初の見学。
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全体としても、部分にしても
重みがあって、味のある建築。
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凄い建築だなあと思ったら、
日建設計の大谷弘明さん設計とのこと。
さすがは。
後に愛媛県美術館を設計され、近作では京都のリッツカールトンも手掛けられています。
今は昔、県美術館のディティールをスケッチしてまわったのを思い出しました。
 
愛媛の歴史をたどる展示も良く、おすすめの博物館です。
 
 
keep smiling!
奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2017.1.5

大洲、臥龍山荘にて

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大洲の肱川沿いにある、臥龍山荘。
古くからの景勝地であった場所を、木蝋貿易の成功による明治の豪商、河内寅次郎がつくらせた数寄屋建築で
今年の7月には国の重要文化財に登録されました。
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週末はしとしと、雨。
雨にくるのははじめて。紅葉、黄葉の木々が美しく映えます。
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苔に落ちた葉もきれい。
この山荘は臥龍院、知止庵、不老庵と三つの建築からなります。
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最も奥にある不老庵に続く飛び石の中に、ひときわ大きい石。
安定したその石からふうっと顔をあげると、肱川に浮かぶ建物が。
縦長のプロポーションがあいらしい。
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アプローチに対して若干角度をふって建物を配置。
川沿いの崖に懸造り(がけづくり)と呼ばれる工法でたちます。
 
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茅葺屋根や塗り残し壁など、草庵としての素朴さを持ちながら
全体的に背の高い空間で、手の込んだ仕事が多く、高貴さも持ち合わせる。
 
keep smiling!
奥野 崇
 
 
 

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2016.11.28

人柄と建築

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少し前のことですが。
手嶋保さんの設計された三秋ホールにて。
 
とつとつと語る、飾らない氏の人柄。
つくる建築のにじみでる気配との一致をみたよう。
 
煎じ詰める、という言葉が印象的だった。
 
keep smiling!
奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2016.10.27

雨あがりの竹林寺

高知、竹林寺さんへ再訪。
竹林寺納骨堂 設計:堀部安嗣
 
雨あがりの姿を見ることができました。
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明るさと暗さ。
振れ幅の大きさが心地よい。
自然と共にある姿。
 
keep smiling!
奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2016.9.18

吉村順三を追いもとめて

住宅におけるここちよさ、
について現代にも多くの影響を与え続けている、故吉村順三。
吉村先生が設計された別荘が、宿泊施設へと転用されているとのこと。
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先の鎌倉山からもほど近いようで、これはいくしかないな、と。
 
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写真右の階段を下りると海、という別荘地の中にあり、
続きでつくられた2戸の別荘とガレージを改装し
2室のホテルとレストランとしてリノベーションを行っています。
手の届きそうなほど低い軒高の控えめな姿。
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アプローチは建物の背面からで、細い路地のような雰囲気。
体にふれそうなくらいに迫る植物。
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外壁がくぼんだような玄関部分。
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斜めに続くホールの先には、パノラマに海が拡がるリビングルーム。
ホールとリビングには45cmのレベル差があり、
トントンと階段をおりながら段々と水平線が見えてくる、という感動的なシークエンス。
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緩やかなカーブを描く天井は、室内を柔らかく包み込みます。
海沿いにある、絶妙なサイズの洞窟のポッカリあいた穴から眺める、感覚。
天井高さの変化と開口高さがとてもいい。
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壁においても要所に柔らかいカーブ。
まるで、軽やかに踊るようなプラン。
動線処理と同時に、各居場所に包まれ感をつくりだします。
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客室の実測スケッチ。
プランの振れ、がみてとれます。
 
 
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海沿いという立地もあり、築約50年ということもあり、
内外装とも、多くの改修が加えられています。
仕上げ関係は白く塗りつぶされ、多くの造り付け家具は既になくなっています。
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しかしながら、空間の輪郭や開口の設け方などは
設計時に思い描いたであろう姿として現在もあります。
それは、時代を超え、今もこの場所とともにあります。
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空間がつくりうる幸せな空気感や、
プランの可能性。
たくさんの残像とともに、思い出深い旅となりました。
 
 
keep smiling!
奥野 崇
 
 
 
 

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2016.9.8

鎌倉山にて

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堀部安嗣さんの建築を見学するため鎌倉山へ。
地域の集会所として利用されている建物です。
新建築の元編集長であられる中谷正人さんが企画された
Wood Front Seminar Unit-2に参加させて頂きました。
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寺院建築に強く影響をうけたと、お話しされる氏の建築は独特の落ち着きをまといます。
それは光の量なのか、天井の高さと平面のバランスのためなのか。
入れ子状の平面を好み、内陣外陣のよう、と表現されます。
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厳格な定められた全体形状に、角度を振っておさめられた正方形。
角度の振れによってうまれた隙間は、動きのある空間へと変化します。
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また、四隅には性格の異なる居場所が用意されており
様々な営みが同時に起こることを許容する、つかずはなれずの関係。
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一見整然とした平面に、閉じ込められた豊かな体験。
堀の深い、出窓のような窓辺が人の居場所になること。
学びの多い建築見学となりました。
 
keep smiling!
奥野 崇
 
 

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2016.9.6

生き物のような建築

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豊中での打ち合わせにあわせて足をのばしました。
カトリック宝塚教会、村野藤吾氏の設計です。
 
白鯨が大地に降り立ったというイメージらしく、その姿はまるで生き物のよう。
ぬるぬるとうごめく、ある瞬間で固定された建築。
その自由な曲線がつくる様子は独特のやわらかさが伝わってきます。
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土地との接し方にも特徴があります。
大地との境界線は曖昧でなじませている。
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樋の仕舞もおもしろい。
雨すらもたのしんで見せる。
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村野藤吾デザインの置き椅子。
信者さんの座るためのもので築50年を経た現在でも現役とのこと。
線の細い、その品のある立ち姿は流石の一言。
 
keep smiling!
奥野 崇
 
 
 

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2016.8.21

聴竹居から想うこと

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大阪・豊中での打ち合わせとあわせて
京都・山崎にある「聴竹居」の見学が叶いました。
(個人所有の建物のため内部の写真公開は控えさせていただきます。)
 
「聴竹居」(きょうちくきょ)は
藤井厚二の設計で、1928年(昭和3年)に建築され、築88年をむかえる自身の住まいです。
日本で最初に環境共生住宅を志向した建築家とされ、
山崎の広大な敷地において
気温や風のデータ収集し、実験住宅の建築を繰り返した中の第五回目のものです。
若き日の吉村順三もここを訪れ、後に影響を受けた住宅であると語ったそう。
 
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夏の暑さに対していかにして快適に住まうか、について徹底的に考えられており
特に風の抜けへの工夫がおもしろい。
空気を土管の中へ通し涼を得るクールチューブや、
立体的な空気の動きを促す小屋裏換気の工夫
データに基づく平面計画など。
 
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また、和と洋を融合させるべく色々な取り組みがなされている。
モンドリアン風意匠、線と円によるデザインと、日本の住宅様式の重ね合わせ
小上がりの畳による、床座と椅子生活の融合
着物でも座ることのできる椅子の設計。
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決して大きくないこの建築にこめられた、細やかな工夫を積み重ねた氏の言葉。
「其の国を代表する建築は住宅建築である」
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それぞれの場所における気候風土、人々の暮らしに寄り添う住まい。
それらはいつしか地域の文化として成熟し、人の考え方や価値観へも影響しうるもの。
これみよがしではない
現代における、透き通った住まいをつくろう。
 
keep smiling!
奥野 崇
 
 

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2016.7.17

京都 俵屋旅館

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また、来たい。と思わせる宿が京都にあります。
いわずも知れた、俵屋旅館。
 
notesに掲載しております、aman resortsの創設者エイドリアンゼッカに
「hotelの原点は俵屋にある」と言わしめた世界に誇る日本旅館で、
スティーブジョブスも定宿にしていたことでも有名です。
10年前、茶道の先生に紹介して頂いてからの憧れ、で
念願の俵屋滞在となりました。
 
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京都御所のほど近く、混み入った界隈にひっそりとあります。
タクシーがつくなり、さっと数人の方がお出迎え。
カメラでもついているのか?と思うほどの、さすがのホスピタリティ高さ。
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玄関まわりは小さく、質素な構え。
ふわり、と香炉の香りが漂います。
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履物を預け、館内で最初に迎えてくれたのが、坪庭の藤の花。(訪れたのは四月末でした)
俵屋さんの醍醐味のひとつは、その設えの季節感。
わずか二帖ほどの空間でしたが、
薄い紫の花に光が反射し、あたりを照らす姿には神々しさまで感じます。
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宿泊させて頂くのは「竹泉」。
吉村順三氏が設計、中村外二工務店が施工を担当しており
後から知ったことですが中村好文さん著作の意中の建築でも紹介されていました。
八帖と三帖の続間からなり、占用面積はうんと小さいのですが
小さな専用の庭に面しており、静かでとても落ち着きます。
特大の網代天井には銀紙が裏貼りされていたり、換気扇など設備の処理も徹底されており
設計当時の工夫や工事途中でのやりとりが、目に浮かんできます。
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図書室やアーネストスタディと呼ばれる別室。
庭への解放と、室内の包まれる感覚のバランスが素晴らしく
たくさんの愉しい居場所が用意されています。
開く、だけでない外部との接点のつくり方は住宅にも参考になります。
 
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滞在でのスケッチの一部。
 
 
俵屋さんは、
旅館として長い歴史を誇り、その伝統を大切に守り維持しながらも、
他方で現代のライフスタイルや世界中のいいもの、を取り入れながら、
そこに泊まるお客様に対して感動を与え続けています。
人、と時間、に対して真摯に向き合い「もっと」を追い続ける姿こそ
今回の旅での一番の学びでありました。
 
keep smiling!
奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2015.7.5
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