20日、27日の2日間にて開催致しました
新事務所に併設したギャラリースペース[屮 / hidarinote]のオープニングイベント。
「旅とスケッチ -13カ国を巡る、建築と暮らしの描写- 」
両日ともお天気に恵まれ、気持ちの良い日本晴れ。
遠くは神奈川や千葉、広島からと
2日間で延べ100名をこえる、たくさんの方々がお越し下さいました。
本当に本当に、ありがたいこと。
関係者一同、改めて御礼申し上げます。
旅先での体験がきっかけとなり始まった、この場所づくり。
住まいの空間づくりに携わる私たちが
今何を想い、何を感じ、何をしようとしているのか。
理屈ではなく、実践することで見たかったものとは何なのか。
環境、空間、暮らし方や働き方を通じて
その一片をお伝えすることができたならば、うれしい限りです。
思えば、事務所設立から10年を過ぎました。
たくさんの方々に支えられて今がある。
感謝と同時にその責任をも感じるこの頃です。
日々や季節を慈しみ、
じんわりと染み出るような活動を積み重ねていくのだ、と心に想います。
奥野 崇
六月に事務所機能を移転を済ませ、うんと暑かった夏も過ぎ、
ようやっと落ち着いた日常がやってきております。
この度、新事務所に併設したギャラリーのオープニングイベントとして、
「旅とスケッチ」をテーマに、小さなエキシビションを開催させて頂きます。
気持ちの良い里山風景の中、
皆様のお越しを心からお待ちしております。
新事務所について
ここは人の営為と自然が調和をなす、里山地域。
暮らすように働くをテーマに、築35年の民家をフルリノベーション。
私たちのオフィス[奥野崇 建築設計事務所]とあわせて、
開かれたギャラリースペース[屮 / hidarinote]を整えました。
[屮 / hidarinote]は、不動産ストックのリノベーションと、
これからのライフスタイルを再考・実践していく、
奥野崇 建築設計事務所がはじめる新たなチャンネルです。
旅とスケッチについて
ライフワークである、建築をまなぶ旅。
これまで国内外のいく先々で出会った建築や街、
人々の暮らしをスケッチし続けてきました。
これらは現地にて視察の最中に描き色付けされたもので、
その瞬間を記したそれらは、写真よりも雄弁かもしれません。
徐々にではありますが、旅のある日常を取り戻してきたこの頃。
ギャラリーのオープニングイベントとして、
30冊を越えるスケッチブックに併せ、
写真や各地で集めてきた収集品をならべる小さなエキシビションを開催致します。
奥野崇 建築設計事務所
晩秋の候。
新しい場所に事務所を移して半年が過ぎました。
ようやっと撮影を終え、
徐々にお披露目を兼ねた催しの支度が整ってきました。
当初は初秋の開催を目指していたものの、、、時が経つのはまったく早いものです。
11月の中頃、
築35年の住宅をリノベーションした内覧会と
"旅とスケッチ" を切り口に小さな展覧会をと思案しています。
詳しくは改めてお知らせできればと。。。
奥野 崇
秋の野に咲きたる花を指折り
かき数ふれば七草の花
萩が花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花
また藤袴 朝顔の花 ―山上憶良「万葉集」
秋の七草の一つ、藤袴(フジバカマ)が満開です。
桜餅のような独特の香りに誘われてか
そこには、アサギマダラの姿が。
アゲハチョウのように細かく羽ばたかず、
ふわふわと飛翔するのがその特徴です。
また、その様子からは想像し難いのですが、
中には海を越えて台湾まで飛んでいくものもいるんだとか。
アサギマダラは、季節により長距離移動する日本で唯一の蝶なんです。
名前に含まれている
「浅葱(あさぎ)」とは青緑色の古称で
その美しい羽の色に由来しています。
透き通る陽のひかり。
秋晴の下、空気がより澄んだ気がしました。
奥野 崇
1995年に出版された書籍。
東西古今の花にまつわる歴史と記憶がまとめられています。
花のそれには、自然環境だけではなく
人間の影響が小さくはないようです。
美への欲求を発端とする、人間の業とは計り知れないものがありますね。
ひょんなことで出会った、
とってもおもしろい方に教えて頂きました。
新しいオフィスでの庭づくりにも参画して下さっています。
どこかの場面で、ひろくお話しを聞けるような機会ができればいいなと妄想しています。
奥野 崇
異常気象だといわれる昨今。
開花期がずれる植物も増えたような。。。
今年はとりわけ暑い夏だったのに、
お彼岸にあわせてきちんと咲くのですね。
事務所のある窪野町は、
彼岸花の群生地があることで知られます。
はやいものです。
野に咲くツユクサも、にっこり笑っています。
奥野 崇
山手の水辺には、小さな光が舞い始めるころ。。。
「朽草」は螢の異名です。
幼虫のあいだ水の中で過ごした螢は、
土の中で蛹になり、羽化して枯れ草の下からでてきます。
先人達は、朽ちた草が螢になったと信じたのでしょう。
螢火はラブコール。
短い命を燃やし次代に繋げる清らかな光は、まさに命の行灯です。
その姿は、恋の想いを重ねて歌に詠まれてきました。
恋に焦がれて鳴く蝉よりも
鳴かぬ螢が身を焦がす 『山家鳥虫歌』
螢狩りの際には、
どうぞ恋の邪魔をしないように。
奥野 崇
日脚が長くなり、空も随分と明るさを増してきた頃。
陽光の明るさに反応して、
冬眠から目覚めたり、芽吹きの準備を始めたり。
この時期のことを「光の春」といいます。
私たちの新たな場所づくりも佳境に入りました。
見える景色の光も色も、
少しずつ明るくなってきています。
奥野 崇
山野草を数多く取り扱う、
伊予市の四国ガーデンさんへ。
いくつもある栽培小屋を案内してくださった、和泉さん。
「野にある草花は、楚々として素敵ですよね」
共感できる価値基準をもっている方との時間は、たのしい。
一方、暖かいハウスでは一足はやい芽吹き。
タラの芽の群生。
季節は変わらず、いつものように巡ります。
里山風景の中に整える外部空間づくり。
頼もしい存在として、ご一緒下さります。
奥野 崇
松山市郊外。
築35年の建物を改修して
ギャラリーを併設する、私たちの場所づくり。
内部解体を終えて、いろんなものが見えてきます。
当時に建物として無理をしていたところは、もれなくガタがきています。
自然や環境、建築の道理をみつめることの大切さ。
自分たちの場所づくりの中で
当たり前のことを、再確認しています。
keep smiling!
奥野 崇