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11月2018

多度津の家 母屋棟引き渡し

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約1年の工期を経て、多度津の家・母屋棟の引き渡しとなりました。

 

瓦屋根のしっかりした姿で、

座敷と庭の一体化、畳敷の廊下による落ち着き、

和の建築と洋の家具の取り合わせ、雪見障子や経木簾による明るさや見え方の変化をつくる。

最後まで熱心に取り組んでくださった若いチーム。

思い出の多い現場となりました。

 

引き続いては、茶室棟の工事、造園工事。

お庭は主庭、表庭、茶庭と趣きを変えながらの作庭となります。

茶室棟は来年早々、造園工事は春頃を目処に。

とにもかくにも、ひと段落です。

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多度津の家 母屋棟

設計監理:奥野崇建築設計事務所

施工:株式会社 高陽建設

 

 

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奥野 崇

CATEGORY : 現場進捗 

沖縄の建築から学ぶこと

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底抜けにきれいな海や空。

 

歩んできた歴史や、毎年の猛烈な台風など

厳しい環境の中、育まれてきた沖縄の建築文化。

それには、そこに住む人々の苦労と失敗の積み重ねから

徐々に形作られたことを肌で感じました。

 

環境に対して謙虚に、素直である。

気候風土への無理のない順応が、沖縄の建築の魅力であろうと思います。

 

と同時に、四国・愛媛の私達はどうか。と考えてしまいます。

その穏やかな気候のためか、

時に傲慢に「何でもできる」と思ってしまいがちです。

建築とは長い年月の間あり続けますから、

見せかけではいつか耐えられなくなります。

 

古い建物が魅力的なのは、

人間の力を過信せず、謙虚に小さな工夫を積み重ねた姿だからかもしれません。

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沖縄でもニュータウンと呼ばれるところでは、

過去の建築とは縁遠いものがたくさん建ってありました。

それは愛媛も同じこと。

 

生活スタイルの均質化や、建材の技術開発によって

空間性のみが取り沙汰されるこの頃。

今一度、じっくりと考えてみたいと思います。

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沖縄の旅のスケッチと写真をまとめてみました。

こちらからご覧になれます

 

 

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奥野 崇

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

沖縄リゾートの先駆け

1945年の終戦から27年後の1972年、沖縄は本土復帰を果たします。

73年のオイルショックを経て、75年には沖縄国際海洋博覧会が開催され、

観光、リゾート開発が活発化していく中で、同75年に完成したホテル。

それがムーンビーチホテルです。

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設計は当時36歳の国場幸房さんをはじめ、国建のメンバー。なお、国建はこの事業の施主でもあります。

アメリカ軍のパイロットが空から偶然発見した三日月型のビーチを、

兄であり社長である国場幸一郎さんが購入したことから始まったそう。

激動・変革の中、

「これからの沖縄のリゾート施設の方向性を自分達がつくる」

との強い思いとエネルギーの中設計は進められた。

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大きなガジュマルの木の下をイメージして、

日陰をつくり、風の通る、家族で楽しめる心地よい空間をつくろうと

当時は1階部分を開放されたピロティ空間であった、との記録を見ました。

(現在は店舗として使われており改変されています)

 

それって、すごい。驚きました。

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ホテルの奥のほうにある古そうな部屋には、

客室入口の開き戸とは別に、風の通る鎧戸の備え付けがありました。

ここからは自分の勝手な想像も含みますが、

ドアを開けて、鎧戸をしめることで風が通り、プライバシーを守れるようにしていたのではないか。

ホテルって客室と廊下やロビーとは、プツっと切ってしまうもの。

ビーチに開放されたピロティーの風は、大きな吹き抜けから各客室まで抜けていたのでは。。。

 

全部がひとつながり。

温暖な沖縄ならではの、なんと大胆でおおらかであろうか。

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「あらゆる常識を逸脱した方法を考え(中略)大きな空間と緑豊かな空間を実現に導くことができた」国場幸房氏

 

きっとそう。

 

 

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奥野 崇

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

名護から那覇

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1981年竣工の名護市役所。象設計集団の仕事です。

一見、市役所には見えません。まるで遺跡のよう。

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建築と植物が、言葉の通り一体に。

ほどよく影を落とす、半屋外のパーゴラが雁行して、ずるずる繋がっていく。

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1階は移動の空間。2階は職員の方々の休憩の空間として使われていました。

大きなテーブルがおいてあったり、鉢植えが並んであったり、雑巾が干してあったり。

各課によって使われ方が違って、性格がでているみたいでおもしろかった。

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そうかあ。

市役所ってこういうもの、と思い込みがあったのだなと気付く。

中のレイアウトは使いにくそうなところもあったけど、何しろ半屋外の空間が魅力的。

妙に整いすぎてないところに、

職員の方々の生活感というか、人間味が感じられて、ほっとします。

こういうアットホームな市役所があったっていい。

 

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続いては、沖縄県立博物館・美術館。

琉球地域に残る、グスク(城)をオマージュしています。

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ポーラスな外壁の下には、気持ち良さそうな空間。

時間によって、表情も変化していく。というもの。

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なにしろ展示が良かった。

沖縄の歴史を幅広く、わかりやすく展示してあります。

文化財的なものから、民俗的なところまであって見入ってしまいます。

当時の魚売りのおばちゃんの録音も流されていて、琉球の言葉を聞く。

小気味よい響き。

 

最後に。

美術館の企画展で見た、儀間比呂志さんの版画。

沖縄戦での生々しいエピソードをもとに、たくさんの作品を残されました。

恐くて、悲しくて、痛々しくて。

涙が流れました。

 

 

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奥野 崇

 

 

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

識名園

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識名園は琉球王国の別邸としてつくられたものですが、

先の第二次世界大戦、1945年の沖縄戦で焼失しました。

現在の建物は1996年に復元整備されたものです。

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小さな中庭が点在していて、あちらこちらで光がもれる。

無理がない屋根のかけかた、平面計画で安心感があります。

視線の扱いも巧み。

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時に強烈な風雨にさらされる土地柄。

 

自然から守り、自然を愛でる。

おとなしやかな建築。

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奥野 崇

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斎場御嶽

斎場御嶽(セーファウタキ)は、

琉球王国の創世神アマミキヨがつくったとされる、琉球王国最高の聖地です。

往時は女性しか立ち入ることができない場所だったそう。

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細い石敷は森の奥へ奥へと続きます。

森の中に六つの神域が点在してあります。

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その一番奥にある神域、三庫理。

むきだしの大きな岩。

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岩と岩の隙間に潜り込む。

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そこでみた光。

まさに大地の彫刻。

作為的でなく、そこに美を見出すということ。

 

 

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奥野 崇

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聖クララ教会

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那覇市の東、与那原町。

修道院や幼稚園と共に、聖クララ教会はあります。

 

設計は片岡献氏とSOM。

竣工は1958年。

1972年の沖縄返還より14年前の事。

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時代背景もあってか、使われている材料は質素なものばかりですが、

こぢんまりとした中庭を囲むように建てられたこの建築には、

人を穏やかにする力があるみたい。

沖縄到着後、最初の見学でしたが、ふわふわした自分を落ち着かせてくれました。

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簡素な扉を開け、細い廊下を抜けると緑の中庭が。

手が届くほどの背の低い建物は人に近く、親近感を感じます。

60年を経過した建物ですが、みんなに大切にされているのでしょう。

日々使われている人の気配がします。

 

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与那原のまちの丘の上にある教会。

教会の中には、

まちから聞こえる車の音や、吹きつける風の音。ここで生活しているシスター達の足音が聞こえてきます。

 

人々の生活と共にある、祈りの場。

特別ではない日常、がありました。

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「ここは私達の大切な家よ」

と、にっこり笑うシスターが印象に残っています。

 

 

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奥野 崇

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沖縄の旅

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沖縄の建築を巡る。

 

本や資料で済ますことなく、現地にいきたい。

建築そのものを見て感じるのはもちろん、

まちの人や空気、歴史や風土を同時に見なければとの思いから。

 

四日間のひとり旅。

古いものから新しいもの、南部から北部へ。

少しずつ、まとめてみようと思います。

 

 

最後に、ホテルムーンビーチ、ブセナテラス、美ら海水族館を設計され

沖縄の建築界をリードしてこられた、国建の国場幸房先生の言葉。

「その地域の建築文化を追求するのが地域に住む建築家の責務だと思って居る。

私の建築の設計に対する思考のあり方は、

沖縄の一般的な家庭料理であるゴーヤーチャンプルーやカンダバージューシーを建築的に再現しているような気がする。

それは地域・風土で生まれた素材の持っている力をいかに引き出していくかということにおいて・・・。」

沖縄ん建築紀伝より。

 

帰りの飛行機の中、心を打たれました。

 

 

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奥野 崇

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西条の家の撮影から

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引渡しから二ヶ月を経た、西条の家。

秋空の下、本日撮影を行いました。

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撮影開始前の朝の時間。

建物の中から聞こえてくるお子さんの笑い声や、掃除機の音。

工事中、ガランと静かな物だった建物が、

人がはいり、暮らしが始まって、すっかり家族の住まいへと。

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気のせいか、

空間も少し表情が和らいで、あたたかくなったよう。

 

 

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奥野 崇

 

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