旧暦五月の異称、菖蒲月(あやめづき)。
事務所の庭にある野あやめは、鮮やかな姿を見せてくれました。
あやめは「文目」とも書き、物事の筋道や分別を指す場合にも使う言葉です。
"ほととぎす なくや五月の あやめ草 あやめもしらぬ 恋もするかな" 『古今和歌集』
昔から五月を代表する花として、人々と共にあったのですね。
奥野 崇
シロヤマブキに花がつきました。
ヤマブキの白花種と思われがちですが、実は別属の植物です。
花や葉が似ていること由縁なんだとか。
庭木としては見慣れたシロヤマブキですが、
中国地方の瀬戸内海側山地や香川県など
限られた地域でのみ自生しており、
実は絶滅危惧種として指定されています。
白い可憐な花は
庭の中でもひときわ輝いてみえます。
奥野 崇
現在、事務所の庭を拡張工事中。
元々植わっていた植物たちは
賑やかになってきました。
トサミズキ
バイモユリ
シラン
カツラ
アズキナシ
奥野 崇
新春の言祝ぎを謹んで申し上げます。
善きことが穏やかに続く。
そんな一年となりますよう、
心よりお祈り申し上げます。
奥野崇 建築設計事務所
雅楽のなかで、いつも最後に演奏するのが千秋楽という曲です。
やがて、芝居や相撲など興行の最終日をさすようになりました。
「一日千秋の思い」の千秋と同じ千年という意味で
幾久しく寿ぐ、という内容の曲なんだそうです。
一年の終わり。
最後にだからこそ、これからも続く日々に想いを馳せる。
雪の金沢・兼六園からの風景をみながら
途切れることなく続いてきた歳月を感じています。
冬季休暇
12月30日~1月4日
奥野 崇
秋の野に咲きたる花を指折り
かき数ふれば七草の花
萩が花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花
また藤袴 朝顔の花 ―山上憶良「万葉集」
秋の七草の一つ、藤袴(フジバカマ)が満開です。
桜餅のような独特の香りに誘われてか
そこには、アサギマダラの姿が。
アゲハチョウのように細かく羽ばたかず、
ふわふわと飛翔するのがその特徴です。
また、その様子からは想像し難いのですが、
中には海を越えて台湾まで飛んでいくものもいるんだとか。
アサギマダラは、季節により長距離移動する日本で唯一の蝶なんです。
名前に含まれている
「浅葱(あさぎ)」とは青緑色の古称で
その美しい羽の色に由来しています。
透き通る陽のひかり。
秋晴の下、空気がより澄んだ気がしました。
奥野 崇
1995年に出版された書籍。
東西古今の花にまつわる歴史と記憶がまとめられています。
花のそれには、自然環境だけではなく
人間の影響が小さくはないようです。
美への欲求を発端とする、人間の業とは計り知れないものがありますね。
ひょんなことで出会った、
とってもおもしろい方に教えて頂きました。
新しいオフィスでの庭づくりにも参画して下さっています。
どこかの場面で、ひろくお話しを聞けるような機会ができればいいなと妄想しています。
奥野 崇
異常気象だといわれる昨今。
開花期がずれる植物も増えたような。。。
今年はとりわけ暑い夏だったのに、
お彼岸にあわせてきちんと咲くのですね。
事務所のある窪野町は、
彼岸花の群生地があることで知られます。
はやいものです。
野に咲くツユクサも、にっこり笑っています。
奥野 崇
山手の水辺には、小さな光が舞い始めるころ。。。
「朽草」は螢の異名です。
幼虫のあいだ水の中で過ごした螢は、
土の中で蛹になり、羽化して枯れ草の下からでてきます。
先人達は、朽ちた草が螢になったと信じたのでしょう。
螢火はラブコール。
短い命を燃やし次代に繋げる清らかな光は、まさに命の行灯です。
その姿は、恋の想いを重ねて歌に詠まれてきました。
恋に焦がれて鳴く蝉よりも
鳴かぬ螢が身を焦がす 『山家鳥虫歌』
螢狩りの際には、
どうぞ恋の邪魔をしないように。
奥野 崇