季節手帖

嘉祥(かじょう)

6月16日は、お菓子をいただき厄除と招福を願う

嘉祥(かじょう)という行事がありました。

 

起源は848年(嘉祥元年)の夏のこと。

時の仁明天皇がご神託を受けられ、

6月16日にお菓子や餅などを神前にお供えされたことが由来なんだそう。

 

鎌倉、室町時代と嘉祥の日は引き継がれ

江戸時代においては幕府のなかで盛大に執り行われました。

将軍から諸士に下賜するとても重要な儀式で

お菓子は、白木の片木板の上に並べられ

そこには「清浄なもの」という意味が込められています。

 

梅雨時期の疲れがちな日々に、ほうっと一息。

先人たちの営為に想いを馳せ

甘いお菓子と、渋いめのお茶はいかがでしょう。

 

 

奥野 崇

category : 季節手帖 | posted at 2023.6.16

青水無月(あおみなづき)

旧暦6月は、木々の葉が青々と生い茂る季節であることから、

水無月に青を加えた、青水無月(あおみなづき)という異名もありました。

 

梅雨入りした四国地方は、雨の日が続いています。

強すぎるのは困りものですが、雨は鬱陶しいばかりではありません。

 

葉の上でひかる雨粒。

草花ごとに水の拡がりや、宿る雨粒の輝きも異なり、

それはそれは美しいものです。

 

瑞々しい青の季節。

雨の日ならではの喜びを見つけて、生活を潤してみるのもいいかもしれません。

 

 

奥野 崇

 

category : 季節手帖 | posted at 2023.6.1

蛍袋(ホタルブクロ)

香川・岡山・広島・大三島をめぐる出張から戻って一息。

 

庭の蛍袋(ホタルブクロ)が咲き始めています。

その名前は、袋のような花の中に、子供たちがホタルをいれて遊んだことが由来なんだとか。

 

蛍が舞う季節。

事務所の庭先にも数匹が連れ立って遊びにきてくれました。

庭の水辺に居着いてくれればいいのに。。。

 

 

奥野 崇

 

category : 季節手帖 | posted at 2023.5.24

菖蒲月(あやめづき)

旧暦五月の異称、菖蒲月(あやめづき)。

事務所の庭にある野あやめは、鮮やかな姿を見せてくれました。

 

あやめは「文目」とも書き、物事の筋道や分別を指す場合にも使う言葉です。

"ほととぎす なくや五月の あやめ草 あやめもしらぬ 恋もするかな" 『古今和歌集』

 

昔から五月を代表する花として、人々と共にあったのですね。

 

 

奥野 崇

category : 季節手帖 | posted at 2023.5.8

シロヤマブキ

シロヤマブキに花がつきました。

 

ヤマブキの白花種と思われがちですが、実は別属の植物です。

花や葉が似ていること由縁なんだとか。

 

庭木としては見慣れたシロヤマブキですが、

中国地方の瀬戸内海側山地や香川県など

限られた地域でのみ自生しており、

実は絶滅危惧種として指定されています。

 

白い可憐な花は

庭の中でもひときわ輝いてみえます。

 

 

奥野 崇

category : 季節手帖 | posted at 2023.4.8

芽吹

現在、事務所の庭を拡張工事中。

 

元々植わっていた植物たちは

賑やかになってきました。

トサミズキ

バイモユリ

シラン

カツラ

アズキナシ

 

 

奥野 崇

category : 季節手帖 | posted at 2023.3.22

春の息吹

自家製の生菓子を来客と愉しむ。

ほんのり、内ぼかしの色彩。

生命の息吹を感じる季節です。

 

 

奥野 崇

category : 季節手帖 | posted at 2023.3.13

令和五年 癸卯

新春の言祝ぎを謹んで申し上げます。

 

善きことが穏やかに続く。

そんな一年となりますよう、

心よりお祈り申し上げます。

 

 

奥野崇 建築設計事務所

category : 季節手帖 | posted at 2023.1.1

千秋楽

雅楽のなかで、いつも最後に演奏するのが千秋楽という曲です。

やがて、芝居や相撲など興行の最終日をさすようになりました。

 

「一日千秋の思い」の千秋と同じ千年という意味で

幾久しく寿ぐ、という内容の曲なんだそうです。

 

一年の終わり。

最後にだからこそ、これからも続く日々に想いを馳せる。

雪の金沢・兼六園からの風景をみながら

途切れることなく続いてきた歳月を感じています。

 

 

冬季休暇

12月30日~1月4日

 

 

奥野 崇

 

category : お知らせ | posted at 2022.12.29

浅葱色の旅人

 秋の野に咲きたる花を指折り

 かき数ふれば七草の花

 萩が花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花

 また藤袴 朝顔の花 ―山上憶良「万葉集」

 

秋の七草の一つ、藤袴(フジバカマ)が満開です。

桜餅のような独特の香りに誘われてか

そこには、アサギマダラの姿が。

 

アゲハチョウのように細かく羽ばたかず、

ふわふわと飛翔するのがその特徴です。

また、その様子からは想像し難いのですが、

中には海を越えて台湾まで飛んでいくものもいるんだとか。

アサギマダラは、季節により長距離移動する日本で唯一の蝶なんです。

 

名前に含まれている

「浅葱(あさぎ)」とは青緑色の古称で

その美しい羽の色に由来しています。

透き通る陽のひかり。

秋晴の下、空気がより澄んだ気がしました。

 

 

奥野 崇

category : 季節手帖 | posted at 2022.10.20
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