6月16日は、お菓子をいただき厄除と招福を願う
嘉祥(かじょう)という行事がありました。
起源は848年(嘉祥元年)の夏のこと。
時の仁明天皇がご神託を受けられ、
6月16日にお菓子や餅などを神前にお供えされたことが由来なんだそう。
鎌倉、室町時代と嘉祥の日は引き継がれ
江戸時代においては幕府のなかで盛大に執り行われました。
将軍から諸士に下賜するとても重要な儀式で
お菓子は、白木の片木板の上に並べられ
そこには「清浄なもの」という意味が込められています。
梅雨時期の疲れがちな日々に、ほうっと一息。
先人たちの営為に想いを馳せ
甘いお菓子と、渋いめのお茶はいかがでしょう。
奥野 崇
旧暦6月は、木々の葉が青々と生い茂る季節であることから、
水無月に青を加えた、青水無月(あおみなづき)という異名もありました。
梅雨入りした四国地方は、雨の日が続いています。
強すぎるのは困りものですが、雨は鬱陶しいばかりではありません。
葉の上でひかる雨粒。
草花ごとに水の拡がりや、宿る雨粒の輝きも異なり、
それはそれは美しいものです。
瑞々しい青の季節。
雨の日ならではの喜びを見つけて、生活を潤してみるのもいいかもしれません。
奥野 崇
香川・岡山・広島・大三島をめぐる出張から戻って一息。
庭の蛍袋(ホタルブクロ)が咲き始めています。
その名前は、袋のような花の中に、子供たちがホタルをいれて遊んだことが由来なんだとか。
蛍が舞う季節。
事務所の庭先にも数匹が連れ立って遊びにきてくれました。
庭の水辺に居着いてくれればいいのに。。。
奥野 崇
旧暦五月の異称、菖蒲月(あやめづき)。
事務所の庭にある野あやめは、鮮やかな姿を見せてくれました。
あやめは「文目」とも書き、物事の筋道や分別を指す場合にも使う言葉です。
"ほととぎす なくや五月の あやめ草 あやめもしらぬ 恋もするかな" 『古今和歌集』
昔から五月を代表する花として、人々と共にあったのですね。
奥野 崇
シロヤマブキに花がつきました。
ヤマブキの白花種と思われがちですが、実は別属の植物です。
花や葉が似ていること由縁なんだとか。
庭木としては見慣れたシロヤマブキですが、
中国地方の瀬戸内海側山地や香川県など
限られた地域でのみ自生しており、
実は絶滅危惧種として指定されています。
白い可憐な花は
庭の中でもひときわ輝いてみえます。
奥野 崇
現在、事務所の庭を拡張工事中。
元々植わっていた植物たちは
賑やかになってきました。
トサミズキ
バイモユリ
シラン
カツラ
アズキナシ
奥野 崇
新春の言祝ぎを謹んで申し上げます。
善きことが穏やかに続く。
そんな一年となりますよう、
心よりお祈り申し上げます。
奥野崇 建築設計事務所
雅楽のなかで、いつも最後に演奏するのが千秋楽という曲です。
やがて、芝居や相撲など興行の最終日をさすようになりました。
「一日千秋の思い」の千秋と同じ千年という意味で
幾久しく寿ぐ、という内容の曲なんだそうです。
一年の終わり。
最後にだからこそ、これからも続く日々に想いを馳せる。
雪の金沢・兼六園からの風景をみながら
途切れることなく続いてきた歳月を感じています。
冬季休暇
12月30日~1月4日
奥野 崇
秋の野に咲きたる花を指折り
かき数ふれば七草の花
萩が花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花
また藤袴 朝顔の花 ―山上憶良「万葉集」
秋の七草の一つ、藤袴(フジバカマ)が満開です。
桜餅のような独特の香りに誘われてか
そこには、アサギマダラの姿が。
アゲハチョウのように細かく羽ばたかず、
ふわふわと飛翔するのがその特徴です。
また、その様子からは想像し難いのですが、
中には海を越えて台湾まで飛んでいくものもいるんだとか。
アサギマダラは、季節により長距離移動する日本で唯一の蝶なんです。
名前に含まれている
「浅葱(あさぎ)」とは青緑色の古称で
その美しい羽の色に由来しています。
透き通る陽のひかり。
秋晴の下、空気がより澄んだ気がしました。
奥野 崇