お彼岸の頃に花をつけるので、彼岸花。
別名で曼珠沙華(マンジュシャゲ)とも呼ばれます。
その呼び名の由来は、サンスクリット語の音写を元にした仏典からなんだそう。
窪野町の北谷地区はその群生地があることで知られています。
例年より、約一週間遅い開花となりました。
ご先祖への感謝はもちろん、
自然や植物に対しても慈しみの心をもって接したいものです。
奥野 崇
月に一度だけ開店する、アポイント制の「喫茶 穀雨」。
事務所のギャラリースペースをしつらえ、
拙いながらも、私たちの美意識と価値観を表現する場所です。
空間と調度品の調律はもちろん、
背景に流れる音楽。
産地から厳選した日本茶とオリジナルの野草茶、
季節と自然を慈しむ菓子と器。
(写真は9月の席のもの:かぼちゃのおしるこ、道明寺、レモングラノーラ、レモンの若葉)
菓子:喫茶穀雨
器:小林耶摩人
すぐそこの畑で、さっき採れた食材を用いて、今の季節を愉しむ。
空間づくりの枠を超えて、一期一会の時間をデザインする。
10月の席のご案内をはじめています。
秋が深まる里山風景の中、お待ちしております。
喫茶 穀雨
奥野崇建築設計事務所
枕草子の冒頭にて
"夏は夜。月のころはさらなり、やみもなほ、ほたるおほく飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。"
と、夏の最もすばらしい時間帯は夜である、と清少納言は綴っています。
ちょうど今は、一年の中でもっとも日が長く、夜が短いころ。
冬とくらべれば、およそ5時間もの差があります。
夏至 (6月21日)
昼の時間:14時間26分 (日の出:04時58分)
夜の時間:09時間24分 (日の入:19時24分)
冬至 (12月21日)
昼の時間:09時間54分 (日の出:07時11分)
夜の時間:14時間06分 (日の入:17時05分)
その短さを惜しむ気持ちから、
夏の夜を呼んだのが「短夜(みじかよ)」という季語です。
一方で、言葉がうまれた背景には、
明けやすさを恨む、男女の後朝の情もそこに重ねられたのだとか。
たしかに「古今集」や「新古今集」にも、
夏の夜の短さをかこつ歌が多く見られます。
実時間をさらに短く感じさせるような
互いを想いあう儚い気持ちが
「短夜(みじかよ)」という季語には込められている。
なんと切なく、哀調を帯びた言葉でしょう。
奥野 崇
6月16日は、お菓子をいただき厄除と招福を願う
嘉祥(かじょう)という行事がありました。
起源は848年(嘉祥元年)の夏のこと。
時の仁明天皇がご神託を受けられ、
6月16日にお菓子や餅などを神前にお供えされたことが由来なんだそう。
鎌倉、室町時代と嘉祥の日は引き継がれ
江戸時代においては幕府のなかで盛大に執り行われました。
将軍から諸士に下賜するとても重要な儀式で
お菓子は、白木の片木板の上に並べられ
そこには「清浄なもの」という意味が込められています。
梅雨時期の疲れがちな日々に、ほうっと一息。
先人たちの営為に想いを馳せ
甘いお菓子と、渋いめのお茶はいかがでしょう。
奥野 崇
旧暦6月は、木々の葉が青々と生い茂る季節であることから、
水無月に青を加えた、青水無月(あおみなづき)という異名もありました。
梅雨入りした四国地方は、雨の日が続いています。
強すぎるのは困りものですが、雨は鬱陶しいばかりではありません。
葉の上でひかる雨粒。
草花ごとに水の拡がりや、宿る雨粒の輝きも異なり、
それはそれは美しいものです。
瑞々しい青の季節。
雨の日ならではの喜びを見つけて、生活を潤してみるのもいいかもしれません。
奥野 崇
香川・岡山・広島・大三島をめぐる出張から戻って一息。
庭の蛍袋(ホタルブクロ)が咲き始めています。
その名前は、袋のような花の中に、子供たちがホタルをいれて遊んだことが由来なんだとか。
蛍が舞う季節。
事務所の庭先にも数匹が連れ立って遊びにきてくれました。
庭の水辺に居着いてくれればいいのに。。。
奥野 崇
旧暦五月の異称、菖蒲月(あやめづき)。
事務所の庭にある野あやめは、鮮やかな姿を見せてくれました。
あやめは「文目」とも書き、物事の筋道や分別を指す場合にも使う言葉です。
"ほととぎす なくや五月の あやめ草 あやめもしらぬ 恋もするかな" 『古今和歌集』
昔から五月を代表する花として、人々と共にあったのですね。
奥野 崇
シロヤマブキに花がつきました。
ヤマブキの白花種と思われがちですが、実は別属の植物です。
花や葉が似ていること由縁なんだとか。
庭木としては見慣れたシロヤマブキですが、
中国地方の瀬戸内海側山地や香川県など
限られた地域でのみ自生しており、
実は絶滅危惧種として指定されています。
白い可憐な花は
庭の中でもひときわ輝いてみえます。
奥野 崇
現在、事務所の庭を拡張工事中。
元々植わっていた植物たちは
賑やかになってきました。
トサミズキ
バイモユリ
シラン
カツラ
アズキナシ
奥野 崇