庵治半島の東側にそれはあります。
彫刻家である流政之氏の製作拠点のひとつであったアトリエを
没後、美術館として公開されたのが2019年のこと。
氏の作品展示はもちろん、
1966年の庵治アトリエ設立から、50年をかけて増築・改築を繰り返した建築や庭園も大きな見所です。
敷地面積は約5,900坪、建物面積は約120坪。
ジャングルのような広大な敷地を、徐々に徐々に開拓していったのだそう。
「初日はまずブルドーザーをレンタルしてね、、、」
と、エピソードをお話ししてくださったのは
当初から亡くなるまでの製作メンバーだった、ヒデさん。
作品製作と並行して、常にどこかは工事中で、
ふと思いついては、こうしよう。ああしよう。の繰り返しだったそう。
壁を建てては壊す、を繰り返したのは
メキシコの建築家、ルイス・バラガン晩年のエピソード。
頭をよぎりました。
どこかアジア的でもあり、どこか欧米的でもあり。
多種多様なものが混在する、独特な空気感。
「作品に直接ふれてみてください」
彫刻は見るものでもあり、感じるものでもある、とのこと。
彫刻・建物・庭園・風景・自然・人
全てが平等でフラットな関係。
流氏と彼を支えたメンバーの生きた足跡を辿るような体験でした。
keep smiling!
奥野 崇