南楽園からは、古代蓮の開花の知らせが聞こえてきました。
二十四節気では小暑の頃。
「大暑来れる前なればなり」 暦便覧
本格的な暑さが到来する前段階、ということ。
小暑を迎えると、衣食住のあらゆるものが夏向きのものに変わっていきます。
また、七十二候で小暑の初候はその名もすばり
「温風至」(あつかぜいたる)
"温風"と聞くと、暖房器具などのそれを思い浮かべてしまいますが、
本来の"温風"とは、あたたかい南風のことを指しており、夏の季語にもなっています。
その"温風"も、梅雨の時期によって呼び方が変わります。
梅雨の初め頃は、黒南風(くろはえ)
ちょうど中頃は、荒南風(あらはえ)
終盤になる頃は、白南風(しろはえ)
各時期の雲の様子を色で表現したもので、漁師さん発祥の言葉ともいわれています。
梅雨の終盤は、特に豪雨になりやすい頃。
現在も九州を中心に予断を許さない状況です。
どうぞ皆様、最大限の警戒を。
keep smiling!
奥野 崇
この季節の代名詞ともいえる、アジサイ。
私たちの事務所でも、小さくて控えめなヤマアジサイが満開をむかえています。
個人的には、ガクアジサイや、ヤマアジサイの可憐な姿に心惹かれます。
ガクアジサイは多くのアジサイの原種のもので、
日本の海岸付近に自生している、別名ハマアジサイ。
一方、ヤマアジサイは山中の沢付近によくみられ、別名サワアジサイとも。
いずれも山野の中ひっそりと咲くその姿に、魅力を感じずにはいられません。
アジサイの語源は、はっきりしていないようですが、
歴史を振り返って、その表記の多さに驚かされます。
古くは万葉集で詠まれた「味狭藍」「安治佐為」。
その後も「阿豆佐為」「集真藍」「安知佐井」「七変化」「八仙花」「四葩」などなど。
現在、最もよく使われる「紫陽花」という表記は、
平安時代に学者道順が、なんと他の花の漢名と間違えてあててしまったものなんだとか。。。
どんよりした梅雨曇と、しとしと降る雨の日々。
モノトーンの景色の中、その一隅を色彩豊かに明るくしてくれる姿は、
「紫陽花」という名がぴったり、と改めて思うのは私だけでしょうか。
keep smiling!
奥野 崇
二十四節気での芒種の初候、
6月5日から9日頃を、蟷螂(かまきり)が生まれる時期として
蟷螂生(かまきりしょうず)と呼ばれます。
自然の中へ、と足を延ばした週末。
ふと木製ベンチの上に
黒い小さな、ちょうど蟻のような生き物を見つけました。
よく見るとそれは、
成虫と同じ形をした小さな小さな子蟷螂。
蟷螂(かまきり)といえば、
無謀にも強者へ立ち向かっていくたとえとして
「蟷螂(とうろう)の斧」ということわざがあるほど、日本ではポピュラーな存在。
一方で、鎌で獲物を狙う特徴的な姿が、
拝んでいるようにみえるので「拝み虫」という異名を持ちます。
ヨーロッパでもやはり、
その姿に祈りを連想したようで「祈り虫」とも「預言者」とも呼ばれるそう。
おもしろいですね。
子蟷螂はどうかといえば、、、
エイエイ、としっかりかわいらしく
拝んでいましたとも。
keep smiling!
奥野 崇