かねてより工事をしておりました、余戸の家。
キリッと冷えた今日、無事お引渡しを終えました。
玄関から続く、大きな土間サロンが特徴的な平屋の住まい。
食品庫、台所と土間のまま続きます。
現代の農家住宅、といったところでしょうか。
冬の冷え込み対策として埋設型の床暖房も敷設しています。
料理、を暮らしの中心に据えられておられる方の器として、
地域に根ざした、関わり、を大切にされている方の器として、
この住まいが、いきいきとした暮らしを包むことを願います。
天井高1800mmの書道スペース
大きなガラス面におりる断熱ロールスクリーン
土間のまま使える来客用手洗い
ミストサウナ、打たせ湯、ブローバス付の浴室
植栽工事中の中庭をみる、土間サロン
もみじの押し葉を和室の明かり天井へ。
もみじの季節に、もみじ建築さんがつくった想い出として、設計者のあそび。かわいらしい仕上り。
工事関係者の方の「もうひと手間」の結晶のような建物となりました。
幸せな限りです。
設計監理:奥野崇 建築設計事務所 担当 奥野 崇・倉本 正子
工事 :株式会社 もみじ建築 担当 窪田 法秀
keep smiling!
奥野 崇
今週末、建築家の泉幸甫さん来松。
チルチン住宅建築賞における長浜の家の現地審査ため、です。
建築はもちろん図面もみてくださいました。
日本の木造建築の最前線でご活躍の方と直接お話しできる機会。
もっといい建築をつくるように、愛媛の街並みがもっと美しくなるように。
自分たちの想うことを積み上げていこう。
keep smiling!
奥野 崇
今は昔、ズントーを知ったa+uの作品集(1998/02)の表紙を飾った建築。
小さな小さな村の中にある、聖ベネディクト教会です。
教会前にある木と真鍮のシンプルな小さな水場もズントーのデザインでは?と思わせる。
木の葉状に組まれた梁を浮かせて、ハイサイドライトからもれる光が印象的。
祈りの場を天からの光で演出するのは、従来の教会を踏襲しています。
ただし、そこにはステンドグラスはなく、光の合間から見え隠れするのは空の色や、周辺の緑。
この地に住まう人々のための教会。
全体的に質素なつくりで、内部の壁は合板にシルバー塗装でフィニッシュ。
小物類は、金工職人による手仕事によるものだろう。
ひとつひとつのディティールが美しい。
ちょうど、日本で寺社建築の設計を行っている最中での今回の見学。
内面へむかう静かな建築をつくり出したい。
keep smiling!
奥野 崇
昨年の10月のお話しにはなりますが。
ドイツ、スイス、オーストリアの旅のこと。
ピーターズントー設計のプレゲンツ美術館について、です。
ドイツの国境にも近いオーストリアの湖畔の小さな町、プレゲンツ。
プレゲンツ美術館は現代アートを展示する美術館で、
そのほとんどは、ガラスとコンクリートでつくられています。
内外共に均質で禁欲的な姿は、
光の抽象化のためなのか。作品の背景としてなのか。
特に内部は時の流れが止まったよう。
映画「cube」シリーズのワンシーンを思い出します。
うーんと悩みながら、そとへ。
湖のすぐほとりにあるこちらの建築。
外部の在り方に「あっ」と気付いた、勝手な解釈に合点しました。
もしかすると、
この一見周囲に対して異質なこのガラスの建築は、
湖畔の靄になじむ姿を思い描いたのではないだろうか。
朝靄のなか、それと一体となって物質の輪郭を消し去るように。
街並み、にではなく、環境、に対して順応しようとしたのではないか。
勝手な想像にすぎませんが、、、
地域主義の建築家がつくった建築。
もう少しこの町でこの建築を眺めてみたかった。
Keep smiling!
奥野 崇
来週にはお引渡しとなります、余戸の家へ。
工務店さんや職人さんはお休みのようで静かな現場。
ゆっくり眺めていると
ひとつひとつのディティールに、職人さんとのやりとりがおもいだされます。
美しいように、使いやすいように、丈夫なように。
今、私達のできる精一杯の想いを詰め込みました。
仮美装を終えて、建具搬入・調整を待ちます。
続けて、造園工事も開始。
今回は建主さんのご指定もあり、創造園・越智さんの仕事です。
水を使った庭となり、なんともたのしみ。
keep smiling!
奥野 崇
事務所の向かいにある神社の風景も変わることなく、
いくつかの仕事が無事竣工を迎え、
また、よき出会いに恵まれた年となりました。
本年も大変お世話になり、ありがとうございました。
どうぞよい年をお迎えくださいませ。
keep smiling!
奥野 崇
「5つ庭の平屋の家」こと
「長浜の家」が、
風土社チルチンびと主催の
住宅建築賞45才以下建築家部門の
最優秀賞を頂きました。
第4回チルチンびと住宅建築賞
主催:株式会社 風土社
審査委員長:泉 幸甫
審査委員:田中敏溥、大野正博、藤井 章、横内敏人、松本直子、水澤 悟、古泉 丞、植久哲男
冷え込んだ、晴れの一日。
柊の家では屋根工事の真っ只中。
大屋根を継手なしで、一枚の板金で葺きます。
その長さ15メートル。
住宅地の中の敷地に搬入することができないため、
現場にて成形していくことに。
工場の機械を現場に搬入。青空成形工場にて作業していきます。
屋根の上に運ぶのも人力ではできないため、レッカー車にて。
青空に舞う板金。
多くの人の手と知恵によって形になっていきます。
keep smiling!
奥野 崇
柊の家、の床柱の現物確認のため京都・北山へ。
あっさりした「行」の和室に縮緬絞りの丸太柱をあわせます。
北山杉は茶室や数奇屋の建築用材として頻繁に用いられ
その特色はとりわけ材質が緻密で木肌が滑らかで光沢があり、干割れが生じにくい等があげられます。
冷暗な倉庫に永く保管される材料のその表面は、まるで人の肌。
時空を超えて静かに眠る、生き物のようにみえる。
多くの人の手によって現代に在る材料。
ありがたく、大切にせねば。
keep smiling!
奥野 崇