然美(さび)

京都祇園、

総合芸術空間「T.T」にて文月の席。

故 髙橋大雅さんの美意識に浸る午後。

奥野 崇

 

 

以下、立礼茶室「然美」のHPより転載

 

さび。

 

時の移ろいとともに、

うつくしく変化すること。

 

枯れて風情が出る。古びて趣が出る。

朽ちていく様子と、豊かで華麗な様子の

相反する要素が交わりながら

 

内面の奥底にひそむ本質が

時間の経過とともに外へと滲み出る。

日本美術の起源である「不完全の美、不均衡の美」

 

茶碗の名品や名茶室の柱などは、

微妙に仄かに歪んでおり、

その膚はガラス板のように滑らかではなく

「さび」に覆われている。

category : お知らせ | posted at 2023.7.20

重要なお知らせ(ご依頼をお考えの方へ)

現在、多くのクライアントから設計のご依頼を頂いており

複数のプロジェクトが進行しております。

(住宅、茶室、医療施設、宿泊施設、寺院、アトリエ、オフィス)

お急ぎでの計画進行をお考えの場合、

ご要望にお応えすることができない恐れがございます。

 

自分たちの目の届く範囲内で

一邸、一邸しっかりと設計作業をしていきたい、と

少人数で運営している事務所であります。

 

つきましては、ご相談から設計開始の間までに

少しお待ち頂くようお願いする場合がございます。

誠に勝手ではありますが、

ご理解いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

奥野崇   建築設計事務所

代表 奥野 崇

category : お知らせ | posted at 2023.7.7

海のすぐそば

海と空の境界線がきえてつながる。

島の多い瀬戸内海ではめずらしい景色。

 

松山市内での新たなプロジェクト。

住まいとオフィスを整えます。

 

 

奥野 崇

category : 現場進捗 | posted at 2023.6.29

短夜 (みじかよ)

枕草子の冒頭にて

"夏は夜。月のころはさらなり、やみもなほ、ほたるおほく飛びちがひたる。

また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。"

と、夏の最もすばらしい時間帯は夜である、と清少納言は綴っています。

 

 

ちょうど今は、一年の中でもっとも日が長く、夜が短いころ。

冬とくらべれば、およそ5時間もの差があります。

 

夏至 (6月21日)

昼の時間:14時間26分 (日の出:04時58分)

夜の時間:09時間24分 (日の入:19時24分)

 

冬至 (12月21日)

昼の時間:09時間54分 (日の出:07時11分)

夜の時間:14時間06分 (日の入:17時05分)

 

 

 

その短さを惜しむ気持ちから、

夏の夜を呼んだのが「短夜(みじかよ)」という季語です。

 

一方で、言葉がうまれた背景には、

明けやすさを恨む、男女の後朝の情もそこに重ねられたのだとか。

たしかに「古今集」や「新古今集」にも、

夏の夜の短さをかこつ歌が多く見られます。

 

 

実時間をさらに短く感じさせるような

互いを想いあう儚い気持ちが

「短夜(みじかよ)」という季語には込められている。

なんと切なく、哀調を帯びた言葉でしょう。

 

 

 

奥野 崇

category : 季節手帖 | posted at 2023.6.21

嘉祥(かじょう)

6月16日は、お菓子をいただき厄除と招福を願う

嘉祥(かじょう)という行事がありました。

 

起源は848年(嘉祥元年)の夏のこと。

時の仁明天皇がご神託を受けられ、

6月16日にお菓子や餅などを神前にお供えされたことが由来なんだそう。

 

鎌倉、室町時代と嘉祥の日は引き継がれ

江戸時代においては幕府のなかで盛大に執り行われました。

将軍から諸士に下賜するとても重要な儀式で

お菓子は、白木の片木板の上に並べられ

そこには「清浄なもの」という意味が込められています。

 

梅雨時期の疲れがちな日々に、ほうっと一息。

先人たちの営為に想いを馳せ

甘いお菓子と、渋いめのお茶はいかがでしょう。

 

 

奥野 崇

category : 季節手帖 | posted at 2023.6.16

高松の家 上棟

ご親族、工事関係者が集まった上棟式。

凛とした、よき祀り事となりました。

 

茶室のある家、高松市内での工事となります。

規模が大きい上に、密度の高い造りこみ。

勝負の木工事が始まります。

 

 

奥野 崇

category : 現場進捗 | posted at 2023.6.12

青水無月(あおみなづき)

旧暦6月は、木々の葉が青々と生い茂る季節であることから、

水無月に青を加えた、青水無月(あおみなづき)という異名もありました。

 

梅雨入りした四国地方は、雨の日が続いています。

強すぎるのは困りものですが、雨は鬱陶しいばかりではありません。

 

葉の上でひかる雨粒。

草花ごとに水の拡がりや、宿る雨粒の輝きも異なり、

それはそれは美しいものです。

 

瑞々しい青の季節。

雨の日ならではの喜びを見つけて、生活を潤してみるのもいいかもしれません。

 

 

奥野 崇

 

category : 季節手帖 | posted at 2023.6.1

蛍袋(ホタルブクロ)

香川・岡山・広島・大三島をめぐる出張から戻って一息。

 

庭の蛍袋(ホタルブクロ)が咲き始めています。

その名前は、袋のような花の中に、子供たちがホタルをいれて遊んだことが由来なんだとか。

 

蛍が舞う季節。

事務所の庭先にも数匹が連れ立って遊びにきてくれました。

庭の水辺に居着いてくれればいいのに。。。

 

 

奥野 崇

 

category : 季節手帖 | posted at 2023.5.24

菖蒲月(あやめづき)

旧暦五月の異称、菖蒲月(あやめづき)。

事務所の庭にある野あやめは、鮮やかな姿を見せてくれました。

 

あやめは「文目」とも書き、物事の筋道や分別を指す場合にも使う言葉です。

"ほととぎす なくや五月の あやめ草 あやめもしらぬ 恋もするかな" 『古今和歌集』

 

昔から五月を代表する花として、人々と共にあったのですね。

 

 

奥野 崇

category : 季節手帖 | posted at 2023.5.8

喫茶 穀雨 はじめます

二十四節気のひとつ、穀雨の頃となりました。

この穀雨とは、"百穀を潤す春に降る雨"という意味の百穀春雨からきています。

この時期の雨は、穀物が健やかに生育するために欠かすことのできない、まさに恵みの雨なのです。

 

 

人の営為と自然が調和をなす里山地域で、

暮らすように働くをテーマに、築35年の民家をリノベーションした私たちのオフィス。

多くの歩き遍路さんを見送りながら、移転からはや一年を迎えました。

 

この度、オフィスに併設したギャラリースペースにて、月一回日曜にだけ開店する、「穀雨」と名付けた喫茶をはじめます。

 

土地に敬意をはらい、慈しむこと。

それらをしずかに包み込む、空間と時間をしつらえること。

住まいの空間づくりに関わってきた私たちが提案する、お茶と野菓子、季節と自然をゆっくり愉しむところです。

 

喫茶 穀雨  Instagram

 

※しばらくは不定期での開店となります。日程は上記SNSのみでお知らせ致します。

※使用する水は、当日の朝汲み上げた湧水です。鉄瓶で沸かすその音も良いものです。時間には余裕をもってお越しくださいませ。

※当面は、日本茶と季節の野菓子のセットのみとなります。

 

 

拙いながらも、私たちの美意識と価値観を表現する場所になればなと。

里山の移り行く季節・自然の中、お待ちしております。

 

 

 

奥野 崇

category : 喫茶 穀雨 | posted at 2023.4.23
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