イスラエルを巡る旅の途中。
隣国のヨルダンへも足を伸ばしました。
フライトの途中、機内から。
一面に広がる砂漠。砂煙によって、地面と空の境界線が曖昧に。
赤い大地。
どこまでもどこまでも続く、とにかく広大な砂と岩の景色。
写真真ん中下の黒い影が人のサイズです。
アカバ周辺の町。
山や土の色と、建築の色が近しい。
ペトラ周辺では、ナバティア人によって紀元前から紀元後700年頃まで栄えた遺跡を多く見ました。
岩をくり抜いて建築をつくる。大地と建築が境なく、ひと続きにあります。
時に摂氏50度を超えることもあるんだそう。
気候も風景も色も。世界はいかに多様であることか。
イスラエルに戻り、クライアントと合流し敷地のある町、ゲデラへ。
エルサレムから車で約30分の静かな住宅街。
約1200㎡の敷地に、住宅と庭を整えます。
この日はクライアント宅へ宿泊。
最終日は、約80年前のバウハウス建築が数多く残る、イスラエル第二の都市テルアビブへ。
移民によって大きく膨らんだ街で、
各地からの移民とともに、そのアイデンティティーを確立するかのごとく
様々な新しい建築スタイルが持ち込まれます。
その姿は「白い都市」とも呼ばれ、世界遺産にも指定されています。
市内中心のバウハウスセンターで簡単なレクチャーを受け、ガイドマップを手に見て回ります。
ちょうど休日で、街に住む人々と建築の幸せな関係も。
アート活動も盛んな土地柄で、生活を楽しんでいる様子が伝わってきました。
歴史、宗教、人種、文化、軍事、気候風土、植生、国民性。
様々な背景が複雑に混ざりながら、今のイスラエルはあります。
現地で、見て聞いて触って感じて。
改めてその多様さと複雑さを知る。
ご笑覧ください。
keep smiling!
奥野 崇
高い塩分濃度で人が浮かぶことで知られる、死海。
海抜マイナス400mと世界で最も低い位置にあります。
幻想的な風景。
年間降水量が100mm以下と乾燥した地域にあり、
砂煙によって対岸のヨルダンが霞んで見えます。
そのほとりにあるのは、
ローマ軍におわれたユダヤの民約1000人が約3年半にわたり籠城したマサダ要塞。
約2000年前の逸話と共に、今も遺跡として残っています。
女性2人と子供5人を残し、
ユダヤの尊厳を守るべく、ここで自ら死を選びました。
「マサダは二度と陥落させない」
悲しい記憶と共に、
ユダヤ人のアイデンティティーの象徴でもあるとのこと。
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奥野 崇
母屋である多度津の家の引き渡しから、はや半年。
多度津の茶室、庭工事を含む、全工事の竣工となりました。
初々しい緑。
撒き苔もまだまだこれからといったところ。
後は梅雨入りと、植物の根付きをまちます。
既に生活を始められている母屋棟。
新しい暮らしにも、なれてこられたよう。
多度津の家(母屋棟)
多度津の茶室 (茶室棟)
設計監理:奥野崇建築設計事務所
施工 :株式会社 高陽建設
造園 :寿造園
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奥野 崇
「人との関わり合いを大切にしたい」
打ち合わせでの忘れられないお話し。
設計期間の途中、ご自身が大きな怪我をされ入院、リハビリの日々。
計画自体も中断を余儀なくされましたが、いつも朗らかでいらっしゃいました。
信頼関係とその責任。
設計、工事と、よいチームとほどよい緊張感に恵まれました。
いい空気感でした。
西条市氷見にて、工事を進めておりましたパン工房が無事お引き渡しです。
建築という内部空間の次は、引き続きお庭という外部空間を整えます。
通常、私たちの事務所は完成にあわせた内覧会は行いません。
住まいの設計がほとんどの私たち。
住宅の場合、内覧会の意図が、
そこに住まう建主さんのためではなく、つくり手側の都合にある気がするから。
こちらの工房はパンのお教室がメインでの運営となります。
「お世話になっている生徒さんやご友人にお披露目をしたい」
との建主さんの声には、もちろん、とお答え致しました。
7月の上旬のころ、
一般の方にもひろく見て頂ける内覧会を行う予定。
詳細はまた改めてお知らせ致します。
keep smiling!
奥野 崇
桑原の家、晴れの良き日に地鎮祭。
建主さんの気持ちの良い挨拶が、心に残りました。
ひとつひとつの積み上げを大切にします。
keep smiling!
奥野 崇
「黄金の街、エルサレム」
そう評されることもあるんだそう。
エルサレムとその近郊の建物のほとんどは、エルサレムストーンと呼ばれるピンクベージュの石灰岩でつくられています。近くでとれる豊富な石材資源と、雨の少ない気候が背景にありますが、どこかやさしい雰囲気を纏います。
その色合いが人肌に近いものを感じるからでしょうか。
石は壁だけでなく、道にも使われており、柔らかい性質のため表面が削られ艶がでるほどに。
明るい色に加えて、反射率の高さから街全体が本当に明るい。目が痛くなるくらい。
特に夕方の光は幻想的。
艶のある床面はきらきらと輝き、凪の水面をみるよう。
「これはすごい」と声がでました。
keep smiling!
奥野 崇
エルサレム。
永く、深く、そして複雑な過去と今を抱える街。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地が、小さな旧市街の中で目と鼻の先で犇めき合っています。それぞれのルーツを辿れば近接の理由も理解できますが、ここがいかに特別な場所であったかが伺い知れます。
今回の旅では、特にユダヤ教とキリスト教の聖地を巡りました。(イスラム教の聖地、岩のドームは一部入場規制中)
「嘆きの壁」
かつてユダヤ教の神殿が建っており、ローマ軍に破壊されたのが西暦70年。
そのとき部分的に残ったのが神殿を囲む西側の外壁で、ユダヤ人の聖地となっています。
神と対話する信者達は、石の隙間に紙にかいたメッセージを差し込みます。
独特な格好をした男性は、ユダヤ教の戒律を守り生活をしている、正統派と呼ばれる人々。
「ヴィア・ドロローサと聖墳墓教会」
イエスが処刑まで一歩一歩進んだ足跡を追走するヴィア・ドロローサと、
それのクライマックスの舞台となった地にある聖墳墓教会。
教会の中には十字架をたてたとされる跡や、香油を注がれた石盤、イエスの墓などが今も残っています。
キリスト教においてとても重要な聖地。
歴史や宗教、人種など複雑で難しい問題を内包した街のなかで、
それはそれは、美しい光に出会いました。
keep smiling!
奥野 崇
約一週間のイスラエルの旅。
そこで見て感じた、気候風土や文化、宗教や歴史、そして人々。
一連を反芻するように、振り返ってみようと思う。
※写真:ユダヤ教の聖地、嘆きの壁
keep smiling!
奥野 崇
明日から約一週間、イスラエルへ。
エルサレム近郊で計画中の住宅打合せにあわせて、宗教建築を見て廻ります。
奥野からの返信には、少しお時間を頂く場合があります。
もしお急ぎの場合は事務所まで連絡をお願いできれば、スタッフにて対応させて頂きます。
誠に勝手ながら、ご理解、ご容赦の程宜しくお願い致します。
奥野崇 建築設計事務所
週末土曜の夜は、つのだたかしさんのリュート演奏会へ。
ギャラリーリブアートでの染色家・望月通陽さんの個展にあわせて企画されたもの。
望月さんの作品の中でも一番の思い出は、小屋場只只さんでのこと。
部屋の片隅にかけられた陶板。それに描かれた絵に、一瞬で虜となったのでした。
後から聞くとそれは内田鋼一さんとの合作だったとか、なかったとか。
望月さんの作品に、時空をこえて、神話やおとぎ話の世界を見たような気がするのは私だけでしょうか。
つのださんのリュートの音色も素敵で。
主に16〜17世紀の楽曲と共に、ユーモアに溢れたお話。
望月さんの作品ともぴったりで、共演しているようにすら感じました。
氏の人間的魅力が滲み出る、こぢんまりとした心地よく幸せな演奏会。
会場には建築家の中村好文さんのお姿も。
聞けばお二方とはもう随分長いお付き合いなんだとか。
納得。どおりで、皆さん空気感が似てらっしゃいます。
人生初?のサインを望月さんから頂きました。
嬉々として踊るような文字のならび。
じんわりあったかい夜の時間でした。
keep smiling!
奥野 崇