宗廟のほど近くに、ARARIO MUSEUMはあります。
ここは、韓国近代建築の巨匠である金壽根(キムスグン)が率いた設計事務所・空間の元社屋です。
1986年に55才という若さで亡くなった氏は、
東京芸大や東大にも留学経験があり、
ソウルオリンピックメインスタジアムの設計でも知られます。
2014年、元々の空間構成を生かした形でリノベーションを行い
現代芸術をテーマとしたミュージアムとして生まれ変わりました。
内部は大小20の部屋があり、迷路のように複雑なつくり。
建物というボリュームのなかで、
いかに変化に富んだ空間をつくりうるかに挑戦したような建築。
廃墟のような粗野な質感が
用途を超えた、空間の強度をつくりだしています。
奥野 崇