朽草(つちくさ)

山手の水辺には、小さな光が舞い始めるころ。。。

 

「朽草」は螢の異名です。

幼虫のあいだ水の中で過ごした螢は、

土の中で蛹になり、羽化して枯れ草の下からでてきます。

先人達は、朽ちた草が螢になったと信じたのでしょう。

 

螢火はラブコール。

短い命を燃やし次代に繋げる清らかな光は、まさに命の行灯です。

その姿は、恋の想いを重ねて歌に詠まれてきました。

 

恋に焦がれて鳴く蝉よりも

鳴かぬ螢が身を焦がす 『山家鳥虫歌』

 

螢狩りの際には、

どうぞ恋の邪魔をしないように。

 

 

奥野 崇

category : 季節手帖 | posted at 2022.5.29
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