2020年7月

現場進捗

一段落をむかえた工事と、これから始まる工事と。

 

今治・高橋の家

建築の引き渡しを終え、続いては外構工事へ。

既に打ち合わせ・選定を終えている、

置き家具やウインドウトリートメントも設置を待つのみ。

 

西条・飯岡の家

造成を終え、建築の工事が始まりました。

おおらかな周辺環境のなかに平屋の建物をつくります。

 

今治・玉川の家

年始の地鎮祭後、諸事情により着工を見合わせておりましたが、

万事整い、基礎工事の開始となりました。

 

松山・藤原町のクリニック

地鎮祭を終え、8月下旬の工事開始を待ちます。

患者さんが安心できる、やさしい木造のクリニックを目指します。

 

 

 

keep smiling!

奥野 崇

category : 現場進捗 | posted at 2020.7.29

雲の峰

二十四節気では大暑の頃。

一年の中では、最も暑い時期ということです。

 

今年はといえば稀に見るほど梅雨明けが遅れており、

暦との齟齬を感じるところかもしれません。

今年は変則ながらも、子どもたちは夏休みへ。

夏の思い出の背景には、いつも青い空と入道雲があったような気がします。

 

地上からの強い上昇気流に乗って

ときには高さ15kmにも達する巨大な雲が

夏の強い日差しを受けて白く輝く様は勇壮そのもの。

 

地方によってはこの夏空に沸き立つ雲に

その地方名に「太郎」をつけた名前で呼ぶことも。

・坂東太郎(関東地方)

・信濃太郎(中部・北陸地方)

・丹波太郎(京阪地方)

・比古太郎(九州地方)

名前がつけられるほど、

皆に親しまれ、季節の象徴的な雲だったのですね。

 

 

 

一方俳句では、

入道雲のことを「雲の峰」とよび、夏の季語にもなっています。

特に知られる句としては、

 

"雲の峰 幾つ崩れて 月の山"  奥の細道(松尾芭蕉)

 

ではないでしょうか。

月の山とは出羽三山のひとつ、現在の山形県にある月山のこと。

月山は標高1981mと2000mにも満たないですが

豪雪地帯の山のため、

冬に降り積もった深い雪が夏になっても溶け残り、

ときに雪が山肌を覆う山だそう。

 

 

この句は元禄2年6月6日に詠まれたとされています。

現在の暦に直せば7月22日ですから、

平年なら梅雨明けの厳しい夏の日。

 

大暑の頃になっても、うっすら雪を残す白い月山と、

その山の上にそびえる、さらに白い雲の山。

陽光に輝く夏雲の姿を眺めて、この句を詠んだのかもしれません。

 

 

 

 

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奥野 崇

category : 季節手帖 | posted at 2020.7.25

讃岐緑想

先の週末は、香川県三豊市へ。

向かったのは、堀部安嗣さん設計の住宅、讃岐緑想。

西讃を代表する工務店である、菅組さんのモデルハウスです。

民泊として一棟貸しされている、とのことで

なかば勢いで予約をお願いしました。

 

 

堀部さんのことを知ったのは、2004年発刊の建築専門誌「ディテール冬季号」

建築家の 故 永田昌民さん、横内敏人さんとの対談と

それぞれがつくられた建築の紹介というものでした。

 

僕は、当時20代前半で建築設計の実務についた頃。

その言葉と建築作品に心打たれ、

何度も何度も読み込んだことを覚えています。

 

対談からの抜粋

"主観性というのは、勝手気ままにやるというのではなくて、経験に裏打ちされた、自分の体に肉体化されている感覚に正直につくる、そういう主観性だと思いますが、そういった設計思想でつくられたものは非常に安心感がある。(中略)記憶というものの継承をちゃんと考えていらっしゃるのではないか (中略)土地がもっていた記憶をどう継承していくか、周辺の風景と断絶しないでどう将来へつなげていくか、あるいは永田さん、横内さんの出会ったものを次に伝えていく。主観性を通して記憶というものの継承を大事にしていらっしゃるんじゃないか"

 

 

実際の建築を一日体験してみて。

十分に煎じ詰められた全体と部分、椅子に腰掛けた時に感じるフィット感。

それはまるで、大きな家具のような住まいでした。

 

ほぼ30坪と、決して大きくないその建築には、

居心地の良さを追い求めた多くの先人たちの面影と、

堀部さん自身の経験に基づく揺るぎない価値観とが在りました。

 

 

讃岐緑想

 

 

 

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奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2020.7.20

再訪

思えば、久しぶりの晴れの朝。

気持ちの良いさわやかな光に迎えられました。

 

引き渡しから半年を経た、来住町の家へ。

 

日々の暮らしを丁寧に、大切にされています。

日常への愛情あるまなざしを感じずにはいられません。

 

良いときも、悪いときもあるのが人間。

新しい住まいが、

安心できる居場所になれたのならば、

もうこれ以上のことはありません。

 

 

 

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奥野 崇

category : 現場進捗 | posted at 2020.7.17

少しずつ

先の週末は、半年ぶりに空路で愛知県へ。

 

名古屋の家は、

オンラインでの打ち合わせを重ねてきましたが、

無事、基本設計の取りまとめを迎えました。

 

向かう機内にて。

 

梅雨曇りの切れ間からは、

穏やかな瀬戸内海の多島美を見ることができました。

 

 

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奥野 崇

category : 現場進捗 | posted at 2020.7.10

小暑

南楽園からは、古代蓮の開花の知らせが聞こえてきました。

二十四節気では小暑の頃。

「大暑来れる前なればなり」 暦便覧

本格的な暑さが到来する前段階、ということ。

小暑を迎えると、衣食住のあらゆるものが夏向きのものに変わっていきます。

 

 

また、七十二候で小暑の初候はその名もすばり

「温風至」(あつかぜいたる)

"温風"と聞くと、暖房器具などのそれを思い浮かべてしまいますが、

本来の"温風"とは、あたたかい南風のことを指しており、夏の季語にもなっています。

 

その"温風"も、梅雨の時期によって呼び方が変わります。

梅雨の初め頃は、黒南風(くろはえ)

ちょうど中頃は、荒南風(あらはえ)

終盤になる頃は、白南風(しろはえ)

各時期の雲の様子を色で表現したもので、漁師さん発祥の言葉ともいわれています。

 

 

梅雨の終盤は、特に豪雨になりやすい頃。

現在も九州を中心に予断を許さない状況です。

どうぞ皆様、最大限の警戒を。

 

 

 

keep smiling!

奥野 崇

category : 季節手帖 | posted at 2020.7.7

ARK JOURNAL

デンマークの著名なインテリア雑誌のエディター・スタイリストを長年務める、Mette Barfod。

彼女が中心となって、

2019年に創刊されたのが"ARK JOURNAL"です。

テーマは、『私たちの周りの空間、そこに置くオブジェクト、そのオブジェクトの作り手』

 

その存在を知った時から、気になっていましたとも。

流通量が少なく、国内ではなかなか見つけられなかったのですが

ハンブルクの書店でようやく発見。

約一ヶ月をかけて、はるばる松山までやってきてくれました。

 

 

建築、インテリア、デザイン、アートの共振に

スカンジナビアの美意識や価値観を通してフォーカスしていく。

タイポグラフィーも独特の風通しのよさで

誌面の隅々にまで、透きとおった空気感で満ちています。

 

 

 

keep smiling!

奥野 崇

category : お知らせ | posted at 2020.7.3
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