スリランカの中央付近、ダンブッラのほど近く。
かつて農業用水の確保のためにつくられた、人造湖であるカンダラマ湖。
そのほとり。
言わずもがなバワの最も有名な建築のひとつ、カンダラマホテル。
圧倒的な存在感を持つ熱帯植物に、とりこまれることを許容する建築。
自然と一体、などという月並の表現では足らず
自然に飲み込まれるのを待っているようにも思える。
開放的なラウンジや、
ラキ氏による彫刻がシンボリックなレストランへの階段。
昨年に続いての訪問だったからか
ゲストルームをアップグレードしてくださいました。
全体のアウトラインはシンプルながらも
引き戸の処理や、見え方や見える範囲の細々した調整で
豊富な空間体験がつめこまれているのがバワの特徴と思います。
二度目の滞在となった今回。
特に感じたのは、自然の移ろい。
大地の明るさによって、時間流れに気づき
当たり前のように訪れる、1日の終わり。
その濃度により新たな今日の日を知り、
明るい陽の光による、内面からこみあげる喜びに気付く。
圧倒的な自然を前に、建築の印象は薄くなる。
建築はより透明な存在へ。
人の原始的な感覚を取り戻させてくれる、新鮮な体験。
keep smiling!
奥野 崇