軽井沢では、続けてペイネ美術館(A・レーモンド設計 夏の家)を見学。
現代に続く日本の住宅建築に大きな影響を与えることになる建物。
内部空間のスケール感が絶妙でとても落着きます。
内部の写真撮影はお断りとのことで、何枚もスケッチをして理解しようとする。。。。
続いて、東京へ。
長野の安曇野のちひろ美術館にて月に2回のお休みにあたるという不運でみることができず
こっちこそはと東京、上井草にある「東京ちひろ美術館」へ。設計は内藤廣氏。
程よく戸建て住宅が立ち並ぶ住宅街の中にポコッとある美術館。
幼い子供の絵にて知られる いわさきちひろさん の作品を集めており
美術館の場所は氏が実際に住まわれていたところに建設されたよう。
平日の午前中だったのにもかかわらず、館内は結構なにぎわい。
氏の人気の高さを感じます。
建物は、周辺にも配慮して2階建てのこじんまりとしたもの。
しかし、建物の配置に工夫がみられ、そこそこに小さな庭と居場所が用意されています。
なんだか いわさきちひろさん のお家に遊びにきたような感覚がとても嬉しかった。
会話を楽しむ人々と、庭でお花を眺める親子、絵本を真剣にみつめる子供。
穏やかな雰囲気と、それを包み込む建築の幸せな関係がとても印象に残っています。
引き続き、軽井沢にて。
中軽井沢駅からタクシーで5分くらい。
日本画家として有名な
千住博美術館。設計西沢立衛氏。
敷地内の高低差約3mをそのまま利用して
床、屋根がフラットでなく、まるで地形のような建物のなかに作品が展示されています。
香川の豊島美術館よりも開放的で伸びやかな印象をうけました。
それは屋根と床が平行でなかったり、
ところどころに点在する
透明な中庭ごしにみえる人影が奥行きを感じさせたりするからかもしれません。
また美術館には一般的にタブーとされている直射光をとりいれ
明るく清潔な雰囲気。
西沢さんの考える建築は
モノとしての美しさよりも
人としての体験の新しさや気持ちよさが抜群で
いつも関心させられます。
お近くの際には是非お立ち寄りを。
つづいて、避暑地として知られる軽井沢へ。
星野リゾート管理地内にある「石の教会」へ。設計 ケンドリック・ケロッグ。
一度は見てみたいと思っていた建築。
木立の中につくられたアプローチをぬけると
ちょうど地下部分にあたるところにある内村鑑三記念堂の入り口がみえてきます。
教会はどこだろうと、脇にある階段をあがると左手に柔らかい光が。
教会は
古い石垣のあった林の上に、コンクリートのアーチを掛け渡して内部をつくったような
内と外が入り混じった雰囲気。
アーチの隙間からもれるやわらかな光と
石垣にふわっとかぶさるシダ植物、静寂のなかそこをつたう水の音。
参列席に腰掛けて
自然と気持ちも落着いてきて何枚も何枚もスケッチをしてしまう・・・。
目に見えない「何か」に祈りを届けるための、目に見える空間。
いつかそんな空間をデザインしてみたい。
まず、最初に訪ねたのは長野県松本市中心部にあります
まつもと市民芸術館。設計は伊東豊雄氏。
様々な文化活動に理解のある松本市民の拠点でもあり、
年に一回開かれ、小澤征爾氏が総監督を務めることでも知られる
サイトウキネンフェスティバルのメイン会場にあたる劇場でもあります。
施設の特徴はなんといっても緩やかにカーブした外壁部分に散らばった
「おにぎり型」のガラス面。
外壁面に象嵌されたその半透明のガラスは
陽があるうちは、来館客のワクワク感を演出し、人々を誘導する光として
また夜間は内部での賑わいの様子を街に投げかける光として
でしゃばりすぎず、しかし印象深いものになるようデザインされていました。
そのほか来館客のワクワク感の演出が素晴らしく
奥を見通せない外壁面のカーブや
奥へ奥へ人々を誘導する間接照明、
天井に埋め込まれたダウンライトによる光のカーテンなど
細やかな設計をされていました。
また今回は事前アポにより
劇場内部の見学もさせていただくことができました。
普段みることのできないステージ内部や練習スタジオ
小澤征爾氏もつかったという楽屋など
貴重な体験をさせていただきました。
案内くださった清沢さんに
次はサイトウキネンフェスティバルでお会いすることを約束?して
軽井沢へ向かいました。