昨日は、香川県の犬島・豊島の見学へいってきました。
両島共、2010年に開催された瀬戸内国際芸術祭の舞台になったところです。
すでに「瀬戸内国際芸術祭2013」の準備もはじまっているとか・・・。
前記の会期中に見れなかった犬島の建築を新たに見学しつつ
豊島美術館を再度みる。というのが今回のツアーの主旨。
高松港から直島経由で延約2時間弱、船にゆられ犬島に到着。
建築家三分一博志氏が建築を担当した 犬島アートプロジェクト「精錬所」
建築家妹島和世氏建築を担当した 「家プロジェクト」のふたつを見ることができます。
「精錬所」の建築は、元々銅の精錬所として利用されていた近代化産業遺産、地形、自然エネルギーを活用することで犬島という環境の絶え間ない自然のサイクルの一部、地球のディティールの一部として変化、成長していく施設として考えられています。既存の煙突やカラミ煉瓦、太陽や地熱などの自然エネルギーを利用して環境に負荷を与えず、快適な温熱環境をつくっており、循環型社会を意識したプロジェクトといえるのではないでしょうか。
そんな中でも印象に残ったのは、家プロジェクトにて説明をじてくださったおばあさんの話し。
ボランティアスタッフであろうその方は犬島で生まれ育ったそうで、
小さい頃、精錬所などで実際に遊んでいたからこそ知っている
カラミ煉瓦の蓄熱体としての特性を、三分一さんはうまく使ってくれたと誇らしげに話してくれました。
三分一さんの建築のアイデアはもちろん素晴らしいのですが
地元の材料を使って物理的にそこならではのものをつくるだけでなく
住民が誇りに思うような心理的にも地元に根ざした建築をつくったことに心を打たれました。
当たり前なことかもしれませんが、そのおばあさんの言葉から改めてその大切さを思いました。