福音寺の家
京料理屋を営むご夫婦と、お子さん、サポートされるご両親。
それぞれの異なる生活時間をいかにしてひとつ屋根の下に折りこもうか。
ご夫婦の生活エリアとご両親の使用される和室とを、玄関ホールをはさんで向かい合わせに配置して、それぞれの就寝時に生活音が気にならないように調整している。また、リビングとダイニング・キッチンを少しずらして配置、見え隠れしながら奥へ奥へと繋がっていく空間となっており、お互いの気配を感じながらも、リラックスして休まる時間を過ごせるように。
和室や取次には、京唐紙を貼り込み、ほのかな光の反射を愉しめる。外部からの目隠しをするための板塀は、多雨地域でみられる水切瓦をオマージュしたデザインとなっており、板材の保護と外観のアクセントの二役を担っている。
撮影:藤村 泰一