昨年の10月のお話しにはなりますが。
ドイツ、スイス、オーストリアの旅のこと。

ピーターズントー設計のプレゲンツ美術館について、です。
ドイツの国境にも近いオーストリアの湖畔の小さな町、プレゲンツ。
プレゲンツ美術館は現代アートを展示する美術館で、
そのほとんどは、ガラスとコンクリートでつくられています。


内外共に均質で禁欲的な姿は、
光の抽象化のためなのか。作品の背景としてなのか。
特に内部は時の流れが止まったよう。
映画「cube」シリーズのワンシーンを思い出します。

うーんと悩みながら、そとへ。
湖のすぐほとりにあるこちらの建築。
外部の在り方に「あっ」と気付いた、勝手な解釈に合点しました。


もしかすると、
この一見周囲に対して異質なこのガラスの建築は、
湖畔の靄になじむ姿を思い描いたのではないだろうか。
朝靄のなか、それと一体となって物質の輪郭を消し去るように。
街並み、にではなく、環境、に対して順応しようとしたのではないか。
勝手な想像にすぎませんが、、、
地域主義の建築家がつくった建築。
もう少しこの町でこの建築を眺めてみたかった。
Keep smiling!
奥野 崇

来週にはお引渡しとなります、余戸の家へ。
工務店さんや職人さんはお休みのようで静かな現場。
ゆっくり眺めていると
ひとつひとつのディティールに、職人さんとのやりとりがおもいだされます。
美しいように、使いやすいように、丈夫なように。
今、私達のできる精一杯の想いを詰め込みました。
仮美装を終えて、建具搬入・調整を待ちます。
続けて、造園工事も開始。
今回は建主さんのご指定もあり、創造園・越智さんの仕事です。
水を使った庭となり、なんともたのしみ。
keep smiling!
奥野 崇

事務所の向かいにある神社の風景も変わることなく、
いくつかの仕事が無事竣工を迎え、
また、よき出会いに恵まれた年となりました。
本年も大変お世話になり、ありがとうございました。
どうぞよい年をお迎えくださいませ。
keep smiling!
奥野 崇
「5つ庭の平屋の家」こと
「長浜の家」が、
風土社チルチンびと主催の
住宅建築賞45才以下建築家部門の
最優秀賞を頂きました。
第4回チルチンびと住宅建築賞
主催:株式会社 風土社
審査委員長:泉 幸甫
審査委員:田中敏溥、大野正博、藤井 章、横内敏人、松本直子、水澤 悟、古泉 丞、植久哲男
冷え込んだ、晴れの一日。
柊の家では屋根工事の真っ只中。
大屋根を継手なしで、一枚の板金で葺きます。
その長さ15メートル。
住宅地の中の敷地に搬入することができないため、
現場にて成形していくことに。
工場の機械を現場に搬入。青空成形工場にて作業していきます。


屋根の上に運ぶのも人力ではできないため、レッカー車にて。
青空に舞う板金。


多くの人の手と知恵によって形になっていきます。
keep smiling!
奥野 崇

柊の家、の床柱の現物確認のため京都・北山へ。
あっさりした「行」の和室に縮緬絞りの丸太柱をあわせます。
北山杉は茶室や数奇屋の建築用材として頻繁に用いられ
その特色はとりわけ材質が緻密で木肌が滑らかで光沢があり、干割れが生じにくい等があげられます。

冷暗な倉庫に永く保管される材料のその表面は、まるで人の肌。
時空を超えて静かに眠る、生き物のようにみえる。
多くの人の手によって現代に在る材料。
ありがたく、大切にせねば。
keep smiling!
奥野 崇

余戸の家の現場にて。
土間サロンの床にはる鉄平石の現物確認を行いました。
目地の大きさを、
全体の割の良さと見え方の気持ち良さとのバランス調整。
ミリ単位での検討、調整の上「これだ」を見つけることができました。
12月にはいり、松山も夜は冷え込んできました。
そんな中、建主さんから暖かいアップルパイとミネストローネの差し入れ。


夕暮れをすぎても作業してくださっている職人さんと一緒に、本当に美味しかった。
お気持ちも本当に嬉しかった。

ありがとうございました。
keep smiling!
奥野 崇
「住まいや暮らしの哲学を磨く」
その一環として札幌に住宅見学に伺いました。

損得ではなく、善悪で物事を判断し、住宅をつくる。
断熱について高性能な住宅をつくりながらも、
その「実際」を、現場施工や地域性、肌感覚、地球環境への影響をひとつひとつ積みあげてこられた方。
その価値観の持ち方がストンと自分に入ってきて、ぜひみて体験してみたいとお願いした今回の視察。
教科書的な断熱性能の高い住宅のつくり方を前提に
北海道の気候風土への適用の仕方をお聞きしながら、
反面、四国周辺での健やかな建築をつくる注意点を再確認して、充実した旅となりました。

かわって週末は今治市でのきぬぼし歯科(住居併用)の上棟へ。
普段の住まいづくりとは少し異なる建築の性質。
医院長と打ち合わせを進めながら
診療方針や地元地域に対するまなざしを、建築に込めた設計になっています。
来年度の開院を目指して進んでまいります。
keep smiling!
奥野 崇
現在、多くの建主様から設計のご依頼を頂いております関係で、
お急ぎの場合、ご要望にお応えすることができない恐れがございます。
少人数で運営しておる事務所であり、
一軒一軒しっかりと仕事をしていきたい、と思っております。
つきましては、設計開始を少しお待ち頂くようお願いする場合がございます。
誠に勝手ではございますが、何卒ご理解いただけますよう、お願い申し上げます。
奥野崇 建築設計事務所
代表 奥野 崇