揉み出(もみず)

「もみじ」は「揉み出(もみず)」が変化した言葉といわれています。

真水や灰汁に浸して鮮やかな色を揉み出す、紅花染めが由来のもの。

"赤葉"ではなく、"紅葉"という漢字が定着したのも自然な流れだったのかもしれません。

 

 

明治期に編纂された国語辞典の大言海には美しい言説があります。

 

色ハ揉ミテ出スモノ、又、揉ミ出ヅルモノ、

サレバ、露、霜ノタメニ モミイダサルルナリ

 

露や霜に洗われることによって

葉から鮮やかな紅や黄色が揉み出される、と考えたという語釈です。

 

 

古岩屋では、紅葉の終盤とのこと。

ひんやりと澄んだ山の空気。

揉み出された楓の葉色は、純一無雑なものに違いありません。

 

 

 

keep smiling!

奥野 崇

category : 季節手帖 | posted at 2020.11.16
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