山手の水辺には、小さな光が舞い始めるころ。。。
「朽草」は螢の異名です。
幼虫のあいだ水の中で過ごした螢は、
土の中で蛹になり、羽化して枯れ草の下からでてきます。
先人達は、朽ちた草が螢になったと信じたのでしょう。
螢火はラブコール。
短い命を燃やし次代に繋げる清らかな光は、まさに命の行灯です。
その姿は、恋の想いを重ねて歌に詠まれてきました。
恋に焦がれて鳴く蝉よりも
鳴かぬ螢が身を焦がす 『山家鳥虫歌』
螢狩りの際には、
どうぞ恋の邪魔をしないように。
奥野 崇