河回村と同じ安東にある、屏山書院。
今回の旅で最も良かった建築。
1607年に霊廟としてつくられたものですが、
その後学校のような用途としても使われました。
南に川を臨み、北に山を背にする、背山臨水の立地環境は、韓国における風水思想の影響でしょうか。
入り口の門を抜け建物の下に潜り込むようなアプローチには驚き。
ほの暗い建物下を歩くと、光の差す石階段。
トントンと上りきると明るい広場。
一歩一歩見え方が変化していく体験は気持ちの盛り上がりを感じます。
潜り込むアプローチは見返しの際に目線から消えるために、穴のない包まれ感を生み出します。
それでも閉塞感がないのは、壁のない柱だけの建築の向こうに山並を見渡せるからか。
李朝の人々の描いた理想にふれた気がしました。
浮遊する、安定感のある建築。
頬に感じる、川からの気持ちの良い風。
四方を緩やかに囲う建築によってうまれる広場感。
自然に建築をあわせていくこと。
keep smiling!
奥野 崇