韓国の古建築をみてみたい。
半ば思いつきのような、それでいて運命的な引き合わせのなか
強行軍にて実現した今回の旅。
愛媛の工務店、造園家の有志4名を巻き込んでの実現となりました。
ソウルから南東へ車で約4時間、河回村。
ユネスコの世界遺産に登録されている、李朝時代の姿を現代に残す村で
その中でも最も有名な韓屋のひとつである、北村宅への宿泊が叶いました。
夏は35℃付近、冬には氷点下に達する厳しい気候の中で
涼しさと暖かさをどのように得ていたのか。
まずは、涼の部分。
天井が高く開放的で、板の間で構成されており、
大きな開口部が設けられ風の抜けを重視しています。
カラッとした印象で、活動的な動の雰囲気。
次に、暖の部分。
4畳半弱の部屋の連続で、天井・壁・床・建具に韓紙が隙間なくはりこめられます。
隙間風を塞ぎ、できるだけ密閉した空間をつくることを意図されたのだろう。
かまどの煙の熱を利用するオンドルという床暖房との相性も、板張より優れるそう。
天井高さ2,250㎜と押さえられた
まゆ玉の中のような親密な、静の雰囲気。
床の紙は油のようなものに浸し、強化されています。
それらの部屋は、隣り合わせの近い距離にあり
1日の時間の中でもあちらこちらへと居場所を移動しながらの暮らしだったのでしょう。
中国の四合院の影響か、と頭をよぎる中庭型の構成。
絶妙なスケール感で、間の抜けていない落ち着き感。
陰と陽。
静と動。
低い内法高とプロポーション。
絶妙の距離感。
keep smiling!
奥野 崇