会津町の家、週末に無事建て方を終えました。
お餅まきも盛況。
良き日を親しい方や地域の方と迎えられ、建主さんの表情も朗らかでした。
柊の家。
仕上げ工事へむけて、大工さんの作業が進行。
空間全体が見えはじめ、細かな調整を重ねます。
施工の西渕工務店の監督さん、職人さんの踏ん張りには頭が下がります。
keep smiling!
奥野 崇
会津町の家、建て方前の最終木材加工確認へ。
外部廻りの木製建具や枠材、はめ込みのガラスなど
原寸図を見ながらの最終調整です。
土間付の座敷のある家。
住まいの中で、特別な場所として設定されたところ。
古きに学び、矛盾のない空間としたい。
「お餅まきのお知らせ」
会津町の家は
4月24日(日曜)17時から、建て方にあわせて
お餅まきを行います。
場所は、JR三津浜駅近く、セブンスター三津店の北東すぐのところです。
ご近所の方はどうぞお越しくださいませ。
keep smiling!
奥野 崇
午後の合間に、新緑の余戸の家へお伺いしました。
コの字型の建物で、中庭を囲む構成。
土間サロンには、気持ちの良い光が。
断熱ロールスクリーンは、もみじの影を写しとります。
流れのある、小庭。
水の音によっても癒されます。
keep smiling!
奥野 崇
柊の家、外部の木製建具の取り付けがはじまりました。
既製品のサッシを取り付けるのもいいですが
木の風合いを生かして
ひとつひとつ、建具職人さんとコチコチとつくっていくこともしばしば。
もちろん、機能性、断熱性については疎かにしないのは当然の取り組みです。
いざ、つくるとなるとひとつひとつ納まりは変わってきますから、綿密な打ち合わせは必須。
原寸(実物大)の図面にて一箇所ずつ、枠廻り・建具の取り合いを調整。
最終的な判断は手書き、
それぞれの大きさを検討していくのが私達の事務所やり方です。
柊の家、建具のみの意匠施工図の束。
それなりの分量となりましたが、質や精度を求めるならばやはりこれくらいは必要です。
現場がはじまると特に細かく、密度を上げて図面をかくので
備え付けのA3サイズ(420mm×297mm)のコピー機では対応できなくなってきて困っていました。
それでも、A2サイズの出力ができるコピー機は約200万!と高額。
普段から設計図面はA2サイズ(420mm×594mm)ですが、
手間ですが外注にて印刷会社さんにお願いするという矛盾状態が続いていました。
手が出ないなあ、と思っていたのですが縁あって、
なんと中古品を格安にて譲って頂けることに!!
エレベーターにぎりぎりで
やっとこさ上がってきましたが、大きい大きい。
スタッフとみんなで搬入経路をつくり
無事、鎮座。
大きい図面が気兼ねなく出力でき、随分と仕事がやりやすくなりました。
私達設計者にとって図面とは、手紙のようなもの。
意図や工夫、想いを、具体的な素材・寸法、納まりへ変換して現場のつくり手へ届けます。
keep smiling!
奥野 崇
雑多なコロンボ市内にある、バワの自邸No.11。
長屋状の住宅を買い足しながら、改修を進め現在の姿に。
念願の見学が叶いました。
内部は迷路のように複雑で
蟻の巣のように各部屋が玉突き状に続きます。
平面プランが想像できなくなり、まるで迷宮。
図面でここか、と確認。
右のスケッチはバワが愛したロールスロイス。
主なき今もひっそりとガレージに置いてあります。
長屋という立地から、先のルヌガンガのような広大な庭園はありません。
しかしながら、ポツ ポツと点在する小さな光庭には美しい光が。
白く塗りこめられた壁や床は
光をより抽象化し、植物や家具、置物をより顕在化させるよう。
廊下の突き当たりにある、ラキさんがつくったふくろう。
もはや神々しさまで感じます。
2階に上がる階段は白い光の洞窟。
そこに熱帯植物のツルに模した鋳鉄の手摺が迎えてくれます。
階段、廊下のつくりかたは角のない丸みを帯びたデザインでまとめるのはいくつかの作品で見られましたが、
今回が最も心に残りました。
空想の世界が目の前に現れたよう。
好きなアーティストである、杉戸洋さんの作品を思い出しました。
現在この住宅はホテルとしても利用できるようです。
バワ財団が管理運営を行っているとのこと。
次回は是非宿泊して実測してまわりたいもの。
もうひとつ、海辺のベントータのまちにあるNo.87と呼ばれる住宅。
広大な庭園をもちます。
外に追い出した、リビングルーム。
忘れられないシーン。
寝室におちる、柔らかな光の一片。
スリランカ、バワの旅の最後に。
王国として深く長い歴史を持ちながらも
かつてはイギリスの植民地という過去を背負い、現在は敬謙な仏教国としてあるスリランカ。
バワはスリランカという国が独立し、そのアイデンティティーを確立していく過程の中で活躍した建築家。
自身はヨーロッパで建築を学びながらも、年を重ねるごとにスリランカ固有の建築言語を取り込んでいきます。
スリランカの持つ歴史や、気候風土に根ざした住まい。
それらスリランカらしさ、を謙虚に踏襲しながらも、現代のライフスタイルの中へ溶け込ませていく。
その姿勢に今後、私達が取り組んでいく道筋が見えた気がします。
またいつか、もう一度バワの建築をみてみたいと思います。
そのときに、自分の目にどう映るかをたのしみにしながら、
新たに日々の仕事に取り組んでまいります。
keep smiling!
奥野 崇
旧トリトンホテル。
手前の水盤、プール、インド洋が繋がります。
インフィニティプールの発明といい、
バワは建築と環境の一体化・連続を図ったのを感じます。
印象的につくられる階段。
連続する中庭空間。内外が曖昧な様子。
施設内にポツポツとおかれる、ラブチェア。
両側から座ると、お互いに見つめるように角度が調整されています。
ロマンチックで素敵。
いくつかの客室を見学。バワの後継者といわれるチャンナによるデザイン。
続いて、ブルーウォーターホテル。
開口上には簾のようなものが。
写真では分かりにくいですが、景色はかなり透過してみえます。
客室内は柔らかい印象。
訪れたホテルはどこもそうでしたが、天井が高い。
日本の住宅において
このところ低く、重心を抑えた設計をよくみますが、個人的にはこういう開放的なところも欲しい。
こもるところと、伸びやかなところ。自分にとってのキーワードになりつつあります。
ベッドヘッドが入り口側の珍しいレイアウト。
シャワールーム内からも海が望めるようになっています。
最後はライトハウスホテル。
バワは生前、このテラス席で沈む夕日を眺めたそう。
アーシーな色の塗りわけがみられます。
その地方の土の色や、植物の色は
まち並みや建物の色彩に大きな影響を与えます。
大事にしたいところ。
壮大な環境に開くだけでなく、小さな単位の親密な空間を散りばめられます。
「そうは言っても、大事だよね」とバワの声が聞こえるよう。
いろんな場面や居場所をつくることの嬉しさ。
次回は住宅作品についてまとめて、スリランカの旅を締めくくろうと思います。
keep smiling!
奥野 崇
ジェフリー・バワの生涯をかけた仕事、ルヌガンガ。
1948年に朽ち果てたゴム園を購入し、2003年84歳にて亡くなるまで
週末住宅や大切な客人を招くところとして手を入れ続けた。
その建物群とランドスケープは
「世界で最も美しい庭園」とも称される。
敷地はベントータ川を引き込んだ淀みのようなデダワ湖のほとりにある。
ちなみにシンハラ語で、ルヌは塩、ガンガは川の意で塩の川ということ。
インド洋にほど近いところにあります。
巨大な敷地の中に点在する建物は現在ホテルとしても利用されています。
残念ながら泊まることはできませんでしたが、ゆっくりと夕食をとることができました。
建物のひとつ、シナモンヒルハウス。
建築と庭園が一体となった、アウトドアリビング。
その天井の高さからか、もはや屋根の存在を感じません。
シャワールームの中には木が!(写真には写ってないですが、手前に木が植わってます)
手塚さんのつくられた、ふじ幼稚園を連想。
訪れたことがあると聞いたことがあるので、参考にされたのか、そうでないのか。
敷地内の階段のデザインは独特で印象的。
先に訪れた世界遺産、シギリヤの引用か。
夕暮れにかいたスケッチ。
柔らかいカーブを描く縁石が、眼下に拡がるデダワ湖のアウトラインに重なる。
なんと、大地から発想したと知る。
建築と庭園、大地が一体となった楽園。
その感動から、しばらく動けませんでした。
keep smiling!
奥野 崇