「ECO LIVING JAPAN」に長浜の家が掲載されています。
日本のサスティナブル住宅の19例を紹介する作品集。
長浜の家、は10ページにわたり解説されています。(英文表記)
見かけましたら手にとってやってくださいませ。
2016年2月9日発売
amazon 「ECO LIVING JAPAN」
TUTTLE publishing出版
keep smiling!
奥野 崇
ぐっと気温が下がりました。
柊の家では、セルロースファイバー断熱材施工のはじまり。
断熱、吸音、調湿に優れた断熱材で、環境負荷の低減にもつながります。
内部シート貼りを経て、吹き込みとなります。
一方、大工さんの枠材加工も進みます。
外部木枠も多いため、
雨仕舞や納まりについて、原寸図にて詳細な打ち合わせを重ねました。
同時に組みあがる枠材を現場でみながら、
寸法の気持ちよさ、を改めて心に問うてみる。
丈夫さ、と美しさ、は不可分であると思います。
現場監督の車の荷台に乗ってやってきた、小さな応援団。
みんなの笑顔も運んできてくれました。
keep smiling!
奥野 崇
スイスの伝統的なまちクールの北側にある小さな村。
ハルゲンシュタインにズントーのアトリエと住まいはあります。
村の様子。
アトリエズントー。
建物への導入部。
スチール製の箱型のデザインはその後のプロジェクトにも形を少し変えながら受け継がれていきます。
そういえば、聖ベネディクト教会の照明と、ヴァルスの温浴施設の照明もほぼ同じ。
ケルンのコロンバ美術館の裏手にある塀と、ブルーダークラウス野の教会の外壁もほぼ同じ。
ズントーは気にいったデザインや素材は、転用しながら育てていくところがあるのかもしれません。
入り口の簡素なサイン。
道をはさんだ向かいにある、コンクリートのセカンドオフィス。
そのテクスチャーがおもしろい。
麻袋?をかけたようなやさしい表情。
おもわずなでてみます。
ズントー自邸。
誌面でみた、キッチンのある吹き抜け空間の部分かと。
大胆でシンプルな構成と
細やかで親しみのあるディティール、が印象的。
最後に
村のとある住宅の2階の窓辺。
美しい窓辺をつくる、2階でも緑との距離感を近づけるデザイン。
いいなあ、と見とれてしまいました。
keep smiling!
奥野 崇
私は、庭と一体となった建築の設計を好んで行います。
庭とのつながりをつくることは、気持ちが落ち着きますし、暮らしに潤いを与えてくれます。
一方で大きなガラス面は外気の影響を受けやすく、
室内の温環境に大きな影響を与えてしまいます。
その両立を、と
ガラス面の断熱性能を高める、
建具廻りの納まりの原寸図による指示、
ロールスクリーンや障子などの補助材の活用、などに配慮しています。
また、客観的な根拠を測定するべく
サーモカメラを導入して手法と効果の蓄積をしています。
冬の日差しの暖かさを再認識する写真。
客観的根拠、と同時に人の肌感覚、を忘れないように設計を行っています。
keep smiling!
奥野 崇
かねてより工事をしておりました、余戸の家。
キリッと冷えた今日、無事お引渡しを終えました。
玄関から続く、大きな土間サロンが特徴的な平屋の住まい。
食品庫、台所と土間のまま続きます。
現代の農家住宅、といったところでしょうか。
冬の冷え込み対策として埋設型の床暖房も敷設しています。
料理、を暮らしの中心に据えられておられる方の器として、
地域に根ざした、関わり、を大切にされている方の器として、
この住まいが、いきいきとした暮らしを包むことを願います。
天井高1800mmの書道スペース
大きなガラス面におりる断熱ロールスクリーン
土間のまま使える来客用手洗い
ミストサウナ、打たせ湯、ブローバス付の浴室
植栽工事中の中庭をみる、土間サロン
もみじの押し葉を和室の明かり天井へ。
もみじの季節に、もみじ建築さんがつくった想い出として、設計者のあそび。かわいらしい仕上り。
工事関係者の方の「もうひと手間」の結晶のような建物となりました。
幸せな限りです。
設計監理:奥野崇 建築設計事務所 担当 奥野 崇・倉本 正子
工事 :株式会社 もみじ建築 担当 窪田 法秀
keep smiling!
奥野 崇
今週末、建築家の泉幸甫さん来松。
チルチン住宅建築賞における長浜の家の現地審査ため、です。
建築はもちろん図面もみてくださいました。
日本の木造建築の最前線でご活躍の方と直接お話しできる機会。
もっといい建築をつくるように、愛媛の街並みがもっと美しくなるように。
自分たちの想うことを積み上げていこう。
keep smiling!
奥野 崇
今は昔、ズントーを知ったa+uの作品集(1998/02)の表紙を飾った建築。
小さな小さな村の中にある、聖ベネディクト教会です。
教会前にある木と真鍮のシンプルな小さな水場もズントーのデザインでは?と思わせる。
木の葉状に組まれた梁を浮かせて、ハイサイドライトからもれる光が印象的。
祈りの場を天からの光で演出するのは、従来の教会を踏襲しています。
ただし、そこにはステンドグラスはなく、光の合間から見え隠れするのは空の色や、周辺の緑。
この地に住まう人々のための教会。
全体的に質素なつくりで、内部の壁は合板にシルバー塗装でフィニッシュ。
小物類は、金工職人による手仕事によるものだろう。
ひとつひとつのディティールが美しい。
ちょうど、日本で寺社建築の設計を行っている最中での今回の見学。
内面へむかう静かな建築をつくり出したい。
keep smiling!
奥野 崇
昨年の10月のお話しにはなりますが。
ドイツ、スイス、オーストリアの旅のこと。
ピーターズントー設計のプレゲンツ美術館について、です。
ドイツの国境にも近いオーストリアの湖畔の小さな町、プレゲンツ。
プレゲンツ美術館は現代アートを展示する美術館で、
そのほとんどは、ガラスとコンクリートでつくられています。
内外共に均質で禁欲的な姿は、
光の抽象化のためなのか。作品の背景としてなのか。
特に内部は時の流れが止まったよう。
映画「cube」シリーズのワンシーンを思い出します。
うーんと悩みながら、そとへ。
湖のすぐほとりにあるこちらの建築。
外部の在り方に「あっ」と気付いた、勝手な解釈に合点しました。
もしかすると、
この一見周囲に対して異質なこのガラスの建築は、
湖畔の靄になじむ姿を思い描いたのではないだろうか。
朝靄のなか、それと一体となって物質の輪郭を消し去るように。
街並み、にではなく、環境、に対して順応しようとしたのではないか。
勝手な想像にすぎませんが、、、
地域主義の建築家がつくった建築。
もう少しこの町でこの建築を眺めてみたかった。
Keep smiling!
奥野 崇
来週にはお引渡しとなります、余戸の家へ。
工務店さんや職人さんはお休みのようで静かな現場。
ゆっくり眺めていると
ひとつひとつのディティールに、職人さんとのやりとりがおもいだされます。
美しいように、使いやすいように、丈夫なように。
今、私達のできる精一杯の想いを詰め込みました。
仮美装を終えて、建具搬入・調整を待ちます。
続けて、造園工事も開始。
今回は建主さんのご指定もあり、創造園・越智さんの仕事です。
水を使った庭となり、なんともたのしみ。
keep smiling!
奥野 崇