関係の皆様にご迷惑をおかけしながらも、
先の一週間をかけて
ドイツ・スイス・オーストリアへと建築の旅へと出かけてきました。
スイスの建築家、ピーターズントー設計の個人邸が見られるとあれば、
行かない理由はありません。
その様子を何回かにわけてお伝えしていければと思います。
フランクフルト空港からまず向かったのはドイツ西部の街ケルン。
そのケルン郊外にあるのが、ブルーダークラウス野の教会。
2007年に竣工した、ズントーの設計。
この建築の特筆すべきは、それ自体はもちろんそのプロセス。
ズントーは設計するにあたり、
依頼主であるプロテスタントの夫婦とその村の人達に
自分達の手で施工すること、を条件として提示したとのこと。
依頼をしたご本人さんが、そう教えてくれました。
借り物ではなく、それぞれの想いと共に大切にされますように。
そう、願ったのではないだろうか。
外部に使われたコンクリートには近くでとれた川砂利と土が混ぜられ、
内部の型枠として使用された丸太材も、すぐそばの森から切り出したもの。
ぽっかりと開け放たれた中央の吹き抜けにはガラスも何もなく
雨や雪、風がふきこんできます。
※内部の全体の様子が分かる写真の掲載は控えてくださいとのことで、断片的な写真になります。
その地の人達の手による
その地の材料を使った
その地の人達のための小さな教会。
村に住まう人々が、大切な誰かと静かに祈りを捧げる場所。
静かで小さなこの建築。
足音、人の息遣いへと注意が向かい、内面へと意識を集中させられる建築。
Keep smiling!
奥野 崇