先日の別荘計画の為の中国出張の際、上海で見つけた建築。
「1933老場坊」という施設。
元々は食肉加工工場であったところで、
現在はカフェやオフィスなどがテナントとしてはいる複合施設です。
建築の文化財的価値が認められ、現在の形での保存にいたったそう。
この建物のおもしろいのは
作業場としてつくられたため動線計画、下階への採光計画がそのまま建築になっているところ。
螺旋状にのびるスロープで上下階がつながり、部分的にみられる階段は対をなして2つあります。
ロの字型の外周建物と、それに囲まれるように建つ円形の建物の隙間部分から下階へ光をおとす。
それらがつくりだす空間は、まるで遺跡のような雰囲気。
かつての人々の賑わいをふっと感じるからなのか、
ガラス越しでない光があたりをてらすからなのか。。。
古い建物を壊さずに、その外観を維持しつつも、
新たな用途と組み合わせる事により価値を高めるリノベーション。
私たちも見習うところは多いです。
※ここの空間のおもしろさからなのか、スペインの設計事務所もテナントのひとつに見られました。
keep smiling!
奥野 崇