私は前事務所勤務時に
道後温泉のいくつかの旅館の設計を担当させて頂きました。
そんな経験もあり、
また道後温泉という全国でも知名度の高い温泉地をかかえる地元の設計者として
旅館の設計に今後もかかわっていきたいと考えています。
そのため、全国に名のとおる旅館・ホテルに実際に宿泊させていただいて
建築・サービス・動線処理などを研究しております。
そんなことで、今回は広島廿日市市にある石亭さんへ。
旅館施設ということで、あまり詳しくはかくことができないので簡単に。
旅館について、まず案内されるラウンジからは、広大な庭園と宮島が一望できる開放的なつくり。
この景色がなによりものもてなしだなあ、と感心させられます。
お部屋は純日本建築の雰囲気。
でもそんななかに、ボーエ・モーエンセンデザインのハイバックチェアが!
すぐさま座ってみて納得。落着くこと。落着くこと。
日本建築にはやっぱり北欧の家具はよく似合いますね。
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施設内にはラウンジ含め、大小のライブラリー、別棟のサロンなど
宿泊者の居場所がそこそこに。
開放的なところあり、あなぐらみたいなところあり、隠れ家のようなところあり。
お部屋以外の居場所がたくさん用意されていて
「過ごす」ことを本気で考えてくれている。これはいいなあ。
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お風呂についても、
共用の内風呂・露天風呂と、部屋付の内風呂、別棟の時間貸風呂など多彩。
それぞれのデザインも特徴があってすばらしい。
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料理は地元の食材をふんだんに使用して
メインは名物のあなごめし。
朝食前には目覚めのオレンジジュースのサービスも。
それぞれにこだわりが感じられる。
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帰りがけに亭主とお話することができました。
建築は亭主自らの発案で、地元の設計士と協力でつくってきたと伺い本当に驚きました。
また家具のチョイスも全て亭主のセンスとのこと。
モーエンセン、ウェグナーをはじめ北欧のものを中心にセレクトされておりセンスがいい!
置かれていた書籍もとても興味深いものばかりで実際によまれたもの達であると。
建築、家具、サービス、料理などは不可分なもので
サービスする側、料理人、設計者が協力して一体的に考え、つくっていくべきで
それらがひとつになったときに独自の非日常のもてなしが実現できると痛感させられました。
興味をもたれたかたは是非足を運んでみてくださいませ。
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庭園の宿 石亭
http://www.sekitei.to/