• TOP
  • BLOG
  • 建築をまなぶ旅

BLOG

建築をまなぶ旅

今治、河野美術館へ

先日、今治の河野美術館へ寄らせて頂きました。

 

今治出身の実業家、故河野 信一氏の寄贈による美術品を展示しており

敷地内には河野氏の邸宅から移築してきた、妙喜庵の待庵写しと、広間の柿ノ木庵とがあります。

IMG_4146

蹲周辺。

IMG_4120

腰掛待合の下地窓。

 

IMG_4130

柿ノ木庵の広縁。

木漏れ日と、畳の反射による天井の照らしあげが美しい。

陽から闇への振れ幅の大きさ。

闇をもって光を感じる瞬間。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

四国の山で

IMG_3268

涼を求めて。

夏の四国カルストへ。

IMG_3283

石灰岩がつくる独特の風景。植生。

IMG_3323

吹き抜ける風は心地よく。

IMG_3322

標高1300m。空が近い。きれい。

 

こんな特別な風景を目の当たりにして。

建築は万能ではないのかもしれないけれど、

その美しさの一片でも取り込められたら、と思うのは欲張りなのだろうか。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

 

 

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

メキシコの旅4 カミノレアルホテルとサン・クリストバルの厩舎

メキシコシティでは、レゴレッタの約50年前の仕事、カミノレアルホテルへ宿泊。

s_IMG_1550

36

s_IMG_1560

s_IMG_1587

もちろん部分的な改修はなされていますが、色褪せないその姿に感銘をうけます。

 

 

続いて、バラガン視察。

s_IMG_1697

バラガンは最後期の前の約10年、建築の世界から離れてしまいます。

その直前の仕事、メキシコシティの高級住宅街にあるサン・クリストバルの厩舎。

s_IMG_1635

バラガンのおもう理想的な暮らしとは、馬と共にあるものだったよう。

人の住まう住宅と、馬の厩舎、人と馬の為の乗馬のスペースがまとめられています。

s_IMG_1679

s_IMG_1695

キャリアの初期は機能主義的な仕事を行ったバラガン。

ある時期からは、自分の想う建築のみをつくる、と皆に宣言し取り組んだ仕事。

s_IMG_1699

シンボルツリー的なパドック、馬の脚を冷やすプール、馬に乗ったまま通り抜けられる仕切り壁。

建築に求められる機能は満足しながらも、息をのむような美しい瞬間をつくる。

s_IMG_1619

s_IMG_1703

折り重なりや色彩、縮小と拡大など

様々な技法によって唯一無二の空間をつくったバラガン。

その上で最も大切なのは、彼の思想と思っています。

s_IMG_1639

建築には機能を超えて、心に響く空間をつくることもできる。

対峙するものではなく、ある種、人を支配するような世界をつくりうる。

バラガンの建築を体験して、

その内向的で詩的な空間に、彼の精神性をみた気がしました。

 

 

※メキシコの旅、一連のスケッチと写真をまとめました。

ブログでは書ききれていないものもあります。

リンクのページに整理しましたので、ご興味あればご覧頂ければと思います。

 

 

 

keep smiling!

奥野 崇

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

メキシコの旅3 プリエト・ロペス邸

バラガンは建築家でありつつも、宅地分譲を行うデベロッパーでもありました。

s_IMG_1350

溶岩だらけの荒野を、自身が開発した分譲地内に建つ個人住宅。プリエト・ロペス邸。

何人かのオーナーの所有の間に窓や外壁色の改変工事もあったようですが

現在のオーナーはオリジナルに戻す工事を行い、それがひと段落したとのこと。

s_IMG_1359

そう大きくないエントランスから

大空間の予感はさせながらも、腰壁によって見通せない。

テイストは違えど、アアルトのマイレア邸に近い感覚を覚えました。

s_IMG_1358

のびやかな住宅。

小梁が連続して並ぶ天井は、日本の建築ともそう遠くない印象。

塗り込められた梁が、小さな垂れ壁のようで、

空間が重層していることを強調しています。

s_IMG_1383

s_IMG_1454

詩的なバラガン邸に比べ、全体が明るく陽気な雰囲気。

家族と共に過ごす楽しい気持ちになります。

s_IMG_1369

s_IMG_1415

天井の高さ、建具枠、家具の大きさなど

全体の寸法が大きめにつくられており

空間サイズの比率にあわせて拡大したよう。

 

空間比率によって見付寸法を調整する手法は

吉田五十八先生の住宅でもみられたことを思い出す。

s_IMG_1374

s_IMG_1372

キッチンやパントリーにはトップライトが設けられ

スポットライトのように照らします。

薄いピンクのタイルと、濃い赤の食器棚。

s_IMG_1399

庭には開発当時の溶岩をそのままに、野趣あふれるつくり。

s_IMG_1447

複数の人々で過ごすことを前提にした明るい住宅。

瞑想的な空間をつくるバラガンの仕事としては、少し意外。

32

 

 

keep smiling!

奥野 崇

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

メキシコの旅2 バラガン自邸

メキシコ入り。

s_IMG_1241

首都メキシコシティの住宅街にひっそりある、ルイス・バラガン自邸。

1948年竣工。

1988年に亡くなるまで、後半生を過ごした自邸兼仕事場です。

2004年にはユネスコの世界遺産にも登録されているよう。

通りに対してはそっけない姿。まさかここがバラガン邸とは、といった感じ。

IMG_1153

一転、

内部には、写真で何度もみた光景。

光、を感じる。

静止したような空間の数々。

IMG_1136

s_IMG_1160

s_IMG_1188

s_IMG_1214

s_IMG_1184

まさに静寂。

各部屋ごとの異なる光によって空間の性格が与えらます。

また、空間の中に絵画的に美しい瞬間がある。

s_IMG_1195

s_IMG_1117

s_IMG_1162

s_IMG_1230

「孤独と一緒にいる時だけ、人は自分自身と向き合える」

とはバラガンの言葉。

一人の時間を大切にし、

生涯独身で、気の許せる限られた人とのみバラガンはこの家で共に過ごしたそう。

バラガンの心を体現する建築。静かな建築。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

 

 

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

メキシコの旅1 キンベル美術館

s_IMG_0982

メキシコ入りする前に、アメリカのテキサス州ダラスにて乗り換え。

ほど近くのフォートワースまで足を伸ばして、

1972年のルイス・カーンの仕事キンベル美術館へ。

 

実はカーンには個人的に思い入れがありまして。

僕が建築を志すきっかけとなった、学生時代の恩師から

当時ルイス・カーンの素晴らしさを聞いておりました。

 

いくつかの本を読み漁りましたが、

なにしろカーンの言いまわしは詩的で難解。

当時の僕には、理解できていたのか、できていなかったのか。。。

時を経て今ようやく体験する機会を得た、といったところです。

 

s_IMG_0952

建築自体は特に突飛な形状をしているものではなく、

かまぼこ上の屋根が連続するもの。

一見、古典建築のようでもあります。

s_IMG_0976

s_IMG_0971

頂部にトップライトが設けてあり、

内部側の反射板によって、天井面へ自然光が柔らかく拡散させるのが特徴。

s_IMG_0974

s_IMG_0973

s_IMG_0811

10

建築の要所にいくつか計画されている中庭。

そろぞれは決して広くないですが、効果的でとてもきれい。

 

 

s_IMG_0872

見所がたくさんある建築ですが、

僕はこの建築の特筆すべきは、人の居場所の豊富さ、ではないかと思いました。

s_IMG_0846

s_IMG_0984

建築の一部には、水盤を目の前にすっと置かれた石のベンチがあります。

先の中庭スペースの周辺もそうですが、

展示される芸術や、それぞれの歴史的背景に、

来訪者が物思いにふけるスペースが点在している。

 

光、という果てしない建築の要素をテーマにしながらも

それを使う人に眼差しが向いているというか。

想いを反芻できる、落ち着きある居場所のつくり込みが行われています。

13

14

各部のスケッチ。

 

 

s_IMG_0802

ちょうど美術館の展覧会はルイス・カーン特集。

s_IMG_0803

s_IMG_0806

s_IMG_0807

カーンの使用した手帳や画材の展示はもちろん

ドローイングやスケッチの現物掲示も。

カーンのつくる繊細なイメージとは少し異なりましたが

力強く、生命力にみちたものばかり。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

 

 

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

青山、松涛にて

日本武道館や京都タワーの設計者として知られる

山田守の自邸が期間限定にて公開されるとあって見学に伺いました。

1894年生まれの建築家です。

IMG_0330

敷地は青山学院大学のすぐ隣。

1959年、65才のときの建築とのこと。

IMG_0323

ブーメラン型の平面にて庭を抱くように建物はあります。

今では、大きく育った緑に埋もれるよう。

IMG_0334

要所要所に曲線が使われています。

 

内部は撮影できませんでしたが、部材の線を消すモダンな和風。

それでも固い固い印象とならなかったのは、曲線の影響でしょうか。

モダンでシンプルな建築を目指しながらも

生物的なやさしい空間をつくろうとする葛藤の中にある建築のように感じました。

 

IMG_0380

続いては、松涛美術館。

白井晟一の設計。1905年生まれで、建築は1980年の竣工。

和でもない、洋でもない、独特な佇まい。

閑静な住宅地の中にひっそりとあります。

IMG_0363

一番の特徴は建物の中心にある、水盤のある光庭部分。

周辺の環境から切り離されたひとつの世界。

反響する水の音に満たされた静かな空間。ガラスの反射によって無限に続くよう。

 

各部材や取り合わせは複雑なものが多いのですが

それらが高度に調律されてひとつの世界観がつくられています。

恣意的なようで、違和感がない。

奥の深い建築。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

 

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

授賞式にあわせて

さきの授賞式にあわせて、東京近辺をうろうろと。

 

IMG_9535

乃木坂のギャラリー間で開催中「堀部安嗣展 建築の居場所」へ。

堀部さんの建築は

竹林寺納骨堂 / 高知 、 鎌倉山の集会場 / 神奈川 、 香川での講演会

にて見学や拝聴、お話しさせて頂きました。

IMG_9558

心に響く言葉。

「今、建築が人びとのたくさんの希望や欲望を背負っている。

それによって、もともと建築がもっていた基本的な役割と佇まいが失われてきているように感じる。

私は建築が背負う重荷を少しずつ取り除いて、本来のシンプルな姿に戻してあげたい。

堀部 安嗣 2017年」

 

建築の根源的な意味を見つめ続け、素直に実践し続ける氏。

きっと、建築に感動し、憧れ、渇望し、愛しているのだろう。

徹頭徹尾取り組む姿に、勇気を頂いた気がしました。

 

 

IMG_9583

続いて、新宿区中井にある林芙美子邸へ。

「放浪記」などで知られる昭和の小説家の自邸です。

設計は山口文象の手によるものですが、建築にあたり林芙美子本人もかなり勉強したよう。

IMG_9588

山口による繊細な数寄屋風テイストと、

林による普段使いの民家風テイストが混ざり合う、

こじんまりとした、親しみ深い建築となっています。

4

派手さはないですが、見るほどに いいなあ と思う住宅。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

 

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

旅のスケッチと スリランカまとめ

01

スリランカでのスケッチ。

現地で描き、色付けしたもの。

 

05

06

12

14

28

27

29

30

忘れたくないその瞬間を描きとめること。

今いるこの空間を俯瞰すること。

 

バワのつくった空間を体験して思う。

まだ見ぬ特別、があったのだと。

建築のもちうる力はまだまだ奥が深く

こんなにも愉しみにあふれたものなのだ、と改めて思う。

 

許されるならば、もっともっとおおらかに泳いでみたい。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

 

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

バンダラウェラの教会 Chapel for the good shepherd convent

IMG_8857

1962年竣工。主としては、バワの初期のパートナーであるウルリック・プレスナーの設計。

スリランカの高原地域として知られるヌワラエリヤやエッラに近いあたり、バンダラウェラにあります。

セイロンティーの中でも代表格のウバ紅茶の産地として知られるあたり。

IMG_8881

周辺はのどかで牧歌的な風景。町というよりは、村といった雰囲気。

 

IMG_8860

質素で禁欲的な印象をもちます。

あえて、というよりは、

周辺でとれる限られた建築資材のみでつくられているからかもしれません。

派手さはありませんが、一歩入った瞬間から息をのむよう。

いい建築というのは理屈抜きに心に訴えるものがあります。

IMG_8844

祭壇の上部にはトップライト。

石積みの表情をかえることで陰影がつくられます。

IMG_8831

一見、開口がないようにみえる石積み壁部分にも通風を得る工夫が。

構造も担うアーチ状の外壁と少しずらして、手すり壁が立ち上がります。

その隙間を風通しのスリットとして利用。反射光はほのかに石積み壁を照らします。

 

IMG_8861

建物の柱を利用した十字架のモチーフがみてとれます。

強烈な植物の力を感じるスリランカですが、建物周辺はなんだか優しく感じます。

 

24

23

25

小さな村にある、小さな教会。

 

それは、人々に愛されながら、慎ましくありました。

シンプルな中にも、味わい深い建築はつくることができる。

「たくさん」は、いらないのかもしれません。

 

にっこり笑うシスターの表情が印象的でした。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 
1 / 812345...最後 »