建築をまなぶ旅(日本)

みて感じて

先の週末は、みんげい蚤の市へ。

西条の愛媛民藝館さんでの催し。

会場の熱気が凄くて、少々押され気味でしたが

素敵な小鹿田焼きのお皿と、竹かごに出会えました。

手摺がない、ただそれだけでこの開放感。

当たり前、ってある意味こわいな、と気付きます。

旧西条藩陣屋跡のお堀。

 

 

 

香川県立ミュージアムで開催中の建築家の自画像展へ。

昨年50万人を超える動員を生んだ、森美術館での建築の日本展をうけて

瀬戸内の建築を見直そうとの気運から企画されたのだそう。

 

「歴史的に見て、現代・今が正ではなくて、現代・今こそが特殊なのではないか」

シンポジウムでの、松隈洋さんのお話しが胸に残る。

 

展示も素晴らしいので、お近くへ行かれる際は是非。

12月15日までのようです。

建築家の自画像 探求者たちのもの語り

 

 

 

週があけて、京都へ。

古い建物を利用したブリュワリー。

若いスタッフみんなが楽しそうに働いていて、

こちらまで幸せな気分になる。

こうなんだ、という決めつけがなくピリピリしていない。

温度は伝染するのだろう。

 

 

鳩居堂さん。

一連施設の再整備中のようでしたが、かつての町とお店の写真を掲げられていた。

この場所で、これまでも、これからも繋げていくのだ、という強い意思を感じます。

 

 

虎屋菓寮さん。

建築の端々の納まりが落ち着いていて、とても気品ある空間です。

とらやさん発祥の地とのことで、新しくつくる難しさもあったと思うのだが。。。

すごい、の一言。

内藤廣さんの仕事です。

 

 

大徳寺 黄梅院さん。

門をくぐるとまずこの景色。

柔らかく揺れるもみじの葉先と、その影が心地よい。

 

先に進みながら、

めくるめく体験の豊かさに心惹かれる。

 

 

 

keep smiling!

奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.10.23

落日荘

茨城県石岡市。

最寄り駅から車で約20分の緑の中。

 

知りえて以来、訪れたかった建物、

一度お話しを伺ってみたかったご夫婦はおられます。

 

落日荘 / 設計・施工 岩崎駿介、岩崎美佐子

(2011年度 JIA環境建築賞 住宅部門最優秀賞)

 

設計と施工ともに、ご夫婦ふたりで行われており、18年経った今も工事は続いています。

いわゆるセルフビルドです。

 

建築や芸術を学ばれた後、

都市計画や国連にて世界の環境や貧困問題などに取り組んでこられた経歴のお二方。

定年を迎えられ、終の住処を構えようと落日荘の設計は始まります。

 

「この建物の形は、思想からおのずとあらわれたものです。」

 

その一点にありながら、地球全体を感じることができる装置。

論理としての躯体と、感情としての手仕事が、

ひとつに溶け合う素晴らしい建築がありました。

 

着工から18年を超え今なお、工事は続いています。

その姿は、単なる建設作業を超えて

未来への祈りのようにも思えました。

 

 

詳しい資料はこちらから

 

 

 

keep smiling!

奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.9.24

五台山 竹林寺 (高知県)

 

じっとり、しめりけを帯びた空気の中、山の音を聴く。

 

雨上がりの静寂。

 

 

 

keep smiling!

奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.9.2

光と風の学び舎

八幡浜市立日土小学校 / 設計:松村 正恒

 

八幡浜市街から車で約20分。

山に囲まれ、澄んだ小川のほとり。

ひっそりとその建築はあります。

 

1956年竣工、2009年改修工事完了、2012年重要文化財に指定。

現役の小学校として今も使われており、

年に3回、3日間だけ一般公開されています。

 

前職にて、改修工事の一部作業に関わらせて頂きました。

それからはや10年。

改めて、その建築の魅力に引き込まれます。

 

 

 

 

山間の心地よい風と共に。

光あふれ、軽やかに。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.8.17

静けさの中

国東半島、両子山の西。

 

 

淀みのないラインと、澄み切った立ち姿。

富貴寺 大堂

 

 

keep smiling!

奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.6.27

F.L.ライトの息吹

先の週末は芦屋。
F.L.ライト、遠藤新、南信による仕事、ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)へ。
旧帝国ホテルと時期を同じく設計され、1924年に建設されました。
2016年11月からの改修工事を終え、一般公開が再開されたとの知らせを受け、とんでいきました。
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大谷石を使った造形は見所満載。
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この建物のためにライトがデザインしたという
銅板のレリーフからは木漏れ日のような光がおちます。
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全体としたはやりすぎ、にも感じましたが
各所に散りばめられた休憩スペースと銘打った居場所がなんとも魅力的で。
平面、断面共に寸法操作が絶妙で、
「ああ、いいなあ」と思える、気持ちいいたまり感をつくっています。
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ライトから始まる、
日本の近代・現代へと続く、住宅建築の流れを感じずにはいられません。
 
keep similng!
奥野 崇
 

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.3.23

瀬戸内海を前にして


透きとおる風景を前に、改めて胸に刻む。
偉大すぎる先輩方の残した言葉。

 


瀬戸内海建築憲章

 

瀬戸内海の環境を守り

瀬戸内海を構成する地域での

環境と人間のかかわりを理解し

媒介としての建築を大切にする。

 

人間を大切にすることから

建築を生み出し創り出すことを始める。

それには瀬戸内海の自然と環境を大切にし

そこから建築を生み出すことにある。

 

環境と建築とが遊離し

建築が独り歩きすることはない。

先人たちのつくった文明を見定めこれを理解し

将来への飛躍のための基盤とし足がかりとする。

過去及び現代において

瀬戸内海が日本人のための文化の母体であったことを知るとともに

それが世界に開けた門戸であったことを確認する。

 

すなわちわれわれは

この地域での文明を守り

それを打ち出していくことと併せて

広く世界へ目を開き

建築を通じて人類に貢献する。

 

1979年9月

山本忠司(香川)・浦辺鎮太郎(岡山)・松村正恒(愛媛)(司会 神代雄一郎)

「鼎談 瀬戸内を語る─瀬戸内海建築憲章を横に」

『風声 京洛便り』第9号、1980年

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.3.10

野太い建築に差す、柔らかい光。

床に反射し上げ裏をてらす。

息を呑む、とはこういうことでしょうか。

 

keep smiling!

奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.3.4

奈良を巡る

平城京に花開いた天平文化。
機会が重なり、奈良に残る古建築を見て回ることに。
 
特に良かった建築、四点。
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正倉院宝庫
千年を超えて今に残るその姿。圧巻の安定感。
「永遠」という言葉が頭に浮かぶ。
 
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元興寺 僧坊
かつてはお坊さんの生活の拠点だった建物。
寺院建築とは異なり、人が暮らすためのこぶりなもの。
風や光を取り入れるために、南北の立面が異なるのも興味深い。
 
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十輪院 本堂
運良く、朝のおつとめに参加させてくださいました。
高さを抑えた本堂の由縁は、大衆信仰の対象であったお地蔵さんをそのままお祀りしているからなのだとか。
つくりは至って簡素。味わい深い。
 
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慈光院
片桐石州によって、境内全体を茶席として整えられたところ。
ほの暗い室内からは、建築と庭との幸せな関係がみてとれました。
 
 
keep smilng!
奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.3.2

小屋場 只只

先日のこと。
山口県南部の大津島にある、1日1組の小さな宿「小屋場 只只」さんへ。
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大津島は、徳山港から生活用フェリーで30分の南北約10kmの小さな島。
太平洋戦争末期に人間魚雷回天の訓練基地があったところで、当時の軍事施設の一部は現在も残っています。
訓練にのぞんでいたのは二十歳そこそこの若者だったと、後から知りました。
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激動の悲しい歴史と、そんなことはまるで感じさせない穏やかな海。
そのすぐ傍に飾らない空間はありました。
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築10年を超えて
建築がもつ作為は時の経過とともに薄れ、
オーナーの哲学と、地に足が着いた宿守の方の空気感によって、もうひとつの家に帰ってきたような感覚。
勝手に「たくさんのしてもらえる」を期待していた自分に気付き、少し恥ずかしくもありました。
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オーナーが記した宿の記録帳に
「自分のためではなく、他者のために全力で生きた若者がいた。全国の人にそのことを知ってほしかった」とありました。
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贅を尽くした料理やサービス・建築だけが価値ではない。
伝えたい想いと空間と時間があれば、それでいい。
何にもないことは人を豊かにさせてくれます。
 
 
keep smiling!
奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.1.20
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