建築をまなぶ旅(日本)

ゼロ・ウェイスト宣言の町

昨年末のこと。

人口1500人あまりの小さな町、徳島県上勝町へ。

上勝町は、2003年に日本ではじめて「ゼロ・ウェイスト宣言」を採択。

"排出ゴミを可能な限り減らした上で、リサイクル率を高め、廃棄物処理されるゴミをゼロにすること"を目指すものです。

 

上勝町の取り組みにおいて特徴的なものとして

1, 町にゴミ収集車がないこと

→ゴミは自分達でもっていく

2, ゴミは45分別

→それぞれの処理に必要な費用を見える化

3, 生ゴミ堆肥化100%

→各家庭にあるコンポストで処理

 

今回は、活動の中心であるゼロ・ウェイストセンター脇に新たにできた

宿泊体験施設「HOTEL WHY」にお世話になりました。

あくまで"体験"のため、宿泊者も町の人と同じように分別やゴミ出しを求められます。

既に完成しているブリュワリー建設の経緯、

時の町長であった笠松さんや関係者の踏ん張りなど

上勝出身の方からのお話しに胸が熱くなりました。

 

WHY do you buy it?

WHY do you throw it away?

なぜそれを買うのか?

なぜそれを捨てるのか?

私たち消費者は問いかけられます。

 

WHY do you produce it?

WHY do you sell it?

なぜそれを作るのか ?

なぜそれを売るのか?

私たち生産者は問いかけられます。

 

上勝町ゼロ・ウェイストセンターでは、

WHYという疑問符を持って生産者と消費者が日々のごみから学び合い、ごみのない社会を目指します。

(上勝町ゼロ・ウェイストセンターHPより)

 

 

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奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2021.1.24

高山〜美濃〜豊田

先日の事。

名古屋の家、打合せ後

レンタカーにて数日をかけて足を延ばしました。

 

 

高山の町並

起源は奈良時代にも及ぶ

飛騨の匠による精巧な仕事を見てまわる。

人の息づかいが聞こえてきそうな距離感。

そのスケール感が興味深い。

 

 

フィンユール邸(キタニ)

デンマークはオードロップゴーにある住宅の

建設当時の図面に忠実につくられたもの。

テントの下にいるような住まいにしたい、と氏は語ったそう。

細やかなディティールの積み重ねによる、あたたかい住まいでした。

 

 

飛騨の里

庄川流域にみられる、

合掌造りの古い民家の姿が見られます。

 

 

瞑想の森(伊東 豊雄)

 

 

みんなの森 ぎふメディアコスモス(伊東 豊雄)

誰もが自由に使える公園のような図書館。

グローブと名付けられたドームの下が、人の居場所になっています。

 

 

加藤栄三・東一記念美術館(吉村 順三)

 

 

旧今井家住宅

 

 

愛知県緑化センター(瀧 光夫)

内と外との境界が曖昧で、新鮮な空間体験。

ここではたくさんのスケッチをしました。

 

 

愛知県立芸術大学(吉村 順三、奥村昭雄)

あくまでも人の大きさを基準に、綿密に丁寧につくられた建築群。

使う人への眼差しが、やさしさに満ちています。

 

 

豊田市美術館(谷口 吉生)

 

 

童子苑・豊祥庵(谷口 吉生)

線の数を減らす。

可能な限り部材数を少なくした、新しい感覚の茶室です。

 

 

 

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奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2020.12.14

NAGARE STUDIO

庵治半島の東側にそれはあります。

彫刻家である流政之氏の製作拠点のひとつであったアトリエを

没後、美術館として公開されたのが2019年のこと。

氏の作品展示はもちろん、

1966年の庵治アトリエ設立から、50年をかけて増築・改築を繰り返した建築や庭園も大きな見所です。

敷地面積は約5,900坪、建物面積は約120坪。

ジャングルのような広大な敷地を、徐々に徐々に開拓していったのだそう。

 

「初日はまずブルドーザーをレンタルしてね、、、」

と、エピソードをお話ししてくださったのは

当初から亡くなるまでの製作メンバーだった、ヒデさん。

作品製作と並行して、常にどこかは工事中で、

ふと思いついては、こうしよう。ああしよう。の繰り返しだったそう。

 

壁を建てては壊す、を繰り返したのは

メキシコの建築家、ルイス・バラガン晩年のエピソード。

頭をよぎりました。

 

どこかアジア的でもあり、どこか欧米的でもあり。

多種多様なものが混在する、独特な空気感。

 

「作品に直接ふれてみてください」

彫刻は見るものでもあり、感じるものでもある、とのこと。

 

 

彫刻・建物・庭園・風景・自然・人

全てが平等でフラットな関係。

流氏と彼を支えたメンバーの生きた足跡を辿るような体験でした。

 

 

NAGARE STUDIO / 流政之美術館

 

 

 

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奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2020.8.2

讃岐緑想

先の週末は、香川県三豊市へ。

向かったのは、堀部安嗣さん設計の住宅、讃岐緑想。

西讃を代表する工務店である、菅組さんのモデルハウスです。

民泊として一棟貸しされている、とのことで

なかば勢いで予約をお願いしました。

 

 

堀部さんのことを知ったのは、2004年発刊の建築専門誌「ディテール冬季号」

建築家の 故 永田昌民さん、横内敏人さんとの対談と

それぞれがつくられた建築の紹介というものでした。

 

僕は、当時20代前半で建築設計の実務についた頃。

その言葉と建築作品に心打たれ、

何度も何度も読み込んだことを覚えています。

 

対談からの抜粋

"主観性というのは、勝手気ままにやるというのではなくて、経験に裏打ちされた、自分の体に肉体化されている感覚に正直につくる、そういう主観性だと思いますが、そういった設計思想でつくられたものは非常に安心感がある。(中略)記憶というものの継承をちゃんと考えていらっしゃるのではないか (中略)土地がもっていた記憶をどう継承していくか、周辺の風景と断絶しないでどう将来へつなげていくか、あるいは永田さん、横内さんの出会ったものを次に伝えていく。主観性を通して記憶というものの継承を大事にしていらっしゃるんじゃないか"

 

 

実際の建築を一日体験してみて。

十分に煎じ詰められた全体と部分、椅子に腰掛けた時に感じるフィット感。

それはまるで、大きな家具のような住まいでした。

 

ほぼ30坪と、決して大きくないその建築には、

居心地の良さを追い求めた多くの先人たちの面影と、

堀部さん自身の経験に基づく揺るぎない価値観とが在りました。

 

 

讃岐緑想

 

 

 

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奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2020.7.20

伊勢の神宮

雨の早朝から内宮へ。

地球の息吹と、自然の循環。

その大いなる流れと共に、人の営為はありました。

 

keep smiling!

奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2020.1.28

西讃にて

讃岐緑想、というそう。

堀部安嗣さんと、菅組さんとの仕事を拝見する。

全体から細部にわたる完成度の高さに魅了されます。

 

建物は、写真スポットとして知られる、父母ヶ浜のすぐほとりにあります。

聞けば2,3年前までは特に立ち寄る人もいなかったとのこと。

いまや、一日で約4000人が訪れる場所となったきっかけは、

市の職員の方がアップした地元を紹介する一枚だった、と聞くと驚き。

 

息を呑む、とはこのこと。

 

途中立ち寄った暮らしの森さんのおすすめ、高屋神社。

荘内半島から四国中央市まで、瀬戸内海を一望できます。

屹立する四国山脈と靄がかる瀬戸内海の関係は、

太古からの歴史を感じずにはいられません。

 

暮らしの森さんにある、お料理教室。

多くの人影が見えて、なんだか幸せそう。

どこにでもあるような倉庫を改修して、人が集まる場所へと変えています。

 

 

改めて感じるのは、

「つくる」から「見つける」への価値の変遷。

自らの足元にあるものを見つめ直し、すくいあげ、まもり、育む。

 

領域を限定せず、開かれた感覚をもって、

人の居場所を整えることに取り組んでいきたい。

 

 

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奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2020.1.20

岡山の旅

古建築から学ぶことは本当に多い。

 

建築の存在によって、自然と人との関係がより親密になっている。

当時の人々の方が、

よっぽど敏感で、研ぎ澄まされていたのではないか。と思ってしまう。

 

岡山後楽園 / 岡山市

 

 

旧閑谷学校 / 備前市

 

 

 

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奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.11.10

倉敷の情景

江戸の天領時代から、近代の工業革命へと。

時間の蓄積をみてまわる。

 

大原家と浦辺鎮太郎の

地域に根差した活動とその足跡に、ただただ感動。

 

 

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奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.11.8

いい町の条件

うんと古い物も、少し古い物も、今の物も。

それぞれに敬意を払い、同居しながら、

これからも使い続ける。

 

時間の積み重なりを感じられるということ。

それは、物事に深度をつくり出す。

 

 

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奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.10.28

別子銅山記念図書館

撮りためた写真を整理しながら、目がとまる。

 

日建設計・大谷弘明さん、30歳の時の仕事。

驚きの若さ。

構成はシンプルなんだけど、味わい深い、おおらかな建築。

 

前庭周辺の抑揚のつけ方も、豊かさのひとつ。

 

 

 

 

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奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(日本) | posted at 2019.10.25
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