建築をまなぶ旅(海外)

スリランカ、バワ建築の旅

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先週はスリランカへ、ジェフリー バワの建築を巡る旅に。
※写真は住宅作品No.87の庭園。
 
スリランカの気候風土に根ざした
内部空間としての建築と
外部空間としての環境とを一体的に設計する氏。
空間体験をもとに綴ってまいります。
 
keep smiling!
奥野 崇
 

category : 建築をまなぶ旅(海外) | posted at 2016.3.21

ドイツ・スイス建築の旅5 ハルデンシュタイン

スイスの伝統的なまちクールの北側にある小さな村。
ハルゲンシュタインにズントーのアトリエと住まいはあります。
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村の様子。
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アトリエズントー。
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建物への導入部。
スチール製の箱型のデザインはその後のプロジェクトにも形を少し変えながら受け継がれていきます。
そういえば、聖ベネディクト教会の照明と、ヴァルスの温浴施設の照明もほぼ同じ。
ケルンのコロンバ美術館の裏手にある塀と、ブルーダークラウス野の教会の外壁もほぼ同じ。
ズントーは気にいったデザインや素材は、転用しながら育てていくところがあるのかもしれません。
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入り口の簡素なサイン。
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道をはさんだ向かいにある、コンクリートのセカンドオフィス。
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そのテクスチャーがおもしろい。
麻袋?をかけたようなやさしい表情。
おもわずなでてみます。
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ズントー自邸。
誌面でみた、キッチンのある吹き抜け空間の部分かと。
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大胆でシンプルな構成と
細やかで親しみのあるディティール、が印象的。
 
最後に
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村のとある住宅の2階の窓辺。
美しい窓辺をつくる、2階でも緑との距離感を近づけるデザイン。
いいなあ、と見とれてしまいました。
 
keep smiling!
奥野 崇
 

category : 建築をまなぶ旅(海外) | posted at 2016.1.17

ドイツ・スイス建築の旅4 聖ベネディクト教会

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今は昔、ズントーを知ったa+uの作品集(1998/02)の表紙を飾った建築。
小さな小さな村の中にある、聖ベネディクト教会です。
 
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教会前にある木と真鍮のシンプルな小さな水場もズントーのデザインでは?と思わせる。
 
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木の葉状に組まれた梁を浮かせて、ハイサイドライトからもれる光が印象的。
祈りの場を天からの光で演出するのは、従来の教会を踏襲しています。
ただし、そこにはステンドグラスはなく、光の合間から見え隠れするのは空の色や、周辺の緑。
この地に住まう人々のための教会。
 
全体的に質素なつくりで、内部の壁は合板にシルバー塗装でフィニッシュ。
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小物類は、金工職人による手仕事によるものだろう。
ひとつひとつのディティールが美しい。
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ちょうど、日本で寺社建築の設計を行っている最中での今回の見学。
内面へむかう静かな建築をつくり出したい。
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keep smiling!
奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(海外) | posted at 2016.1.9

ドイツ・スイス建築の旅3 プレゲンツ

昨年の10月のお話しにはなりますが。
ドイツ、スイス、オーストリアの旅のこと。
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ピーターズントー設計のプレゲンツ美術館について、です。
ドイツの国境にも近いオーストリアの湖畔の小さな町、プレゲンツ。
 
プレゲンツ美術館は現代アートを展示する美術館で、
そのほとんどは、ガラスとコンクリートでつくられています。
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内外共に均質で禁欲的な姿は、
光の抽象化のためなのか。作品の背景としてなのか。
特に内部は時の流れが止まったよう。
映画「cube」シリーズのワンシーンを思い出します。
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うーんと悩みながら、そとへ。
湖のすぐほとりにあるこちらの建築。
外部の在り方に「あっ」と気付いた、勝手な解釈に合点しました。
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もしかすると、
この一見周囲に対して異質なこのガラスの建築は、
湖畔の靄になじむ姿を思い描いたのではないだろうか。
朝靄のなか、それと一体となって物質の輪郭を消し去るように。
街並み、にではなく、環境、に対して順応しようとしたのではないか。
 
勝手な想像にすぎませんが、、、
地域主義の建築家がつくった建築。
もう少しこの町でこの建築を眺めてみたかった。
 
Keep smiling!
奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(海外) | posted at 2016.1.6

ドイツ・スイス建築の旅2 バーゼル周辺

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ケルンからライン川と共に南へ下りて、
ドイツ、フランスの国境の街、スイス・バーゼルへ。
スイスというと寒いイメージがありましたが
バーゼルは海抜400m程なので、そんなに寒くはありません。
 
 
バーゼル付近では

  • ヴィトラミュージアム
  • バイエラー美術館

等を視察。
 
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ヴィトラとは家具メーカーで、この施設はその組み立て工場やミュージアムがいくつか集まったもので、建物の設計者には建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞の受賞者も多数名をつらねます。
日本からは安藤忠雄さん、SANAAが参加。
他にはヘルツォーグ・ドムーロン、フランク・ゲーリー、ザハ・ハディド、アルバロシザ、レンゾピアノ、ジャン・プルーヴェと豪華絢爛。建築の見本市といったところか。
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特にヘルツォーグの建物は
小屋が積み重なったような建物で、あまりに有名。
屋根の建築、という今のトレンドのさきがけ。
内部空間の無秩序でシームレスな、めくるめくつながりは面白かったが、
全体としてはコマーシャル的要素の強い建築、というのが僕の感想。
 
建築の表層を重要な要素として設計する、のは分かるが
奥ゆかしさ、気分の抑揚は感じない。
本施設の他の建物をみても同様の感想で、
現代建築とは何なんだろうと考えてしまいます。
 
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スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館が知られる、フランク・ゲーリーの建築。
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安藤さんのセミナーハウス。
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ヴィトラ社家具のショールームもあります。
コーディネート、まとまってます。
 
 
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続いて、バイエラー美術館。イタリア人のレンゾピアノの設計。
柔らかな自然光を導く、を設計主題とした建築。
明るい天井と壁、の建築。
金物のディティールワークはさすがです。
※内部撮影は禁止とのこと。残念。
 
 
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夜はひとりバーゼルの旧市街へ。
トラムという路面電車の行き交う、旧市庁舎前。
なんだか柔らかい灯りです。
 
どこのレストランにしようかと、ゆらゆら、ゆらゆら。
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会社帰りのお父さんとその家族。
ウインドウ越しにチョコレートを眺める、老夫婦。
親密な空気を包み込む、街の雰囲気。
人と人の暖かいつながりと、それを包み込む街の空気感。
ああ、いいなあ。
 
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この街のそれらのシーンこそが、この旅の忘れられない一瞬となりました。
 
Keep smiling!
奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(海外) | posted at 2015.10.15

ドイツ・スイス建築の旅1 ブルーダークラウス野の教会

関係の皆様にご迷惑をおかけしながらも、
先の一週間をかけて
ドイツ・スイス・オーストリアへと建築の旅へと出かけてきました。
 
スイスの建築家、ピーターズントー設計の個人邸が見られるとあれば、
行かない理由はありません。
その様子を何回かにわけてお伝えしていければと思います。
 
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フランクフルト空港からまず向かったのはドイツ西部の街ケルン。
そのケルン郊外にあるのが、ブルーダークラウス野の教会。
2007年に竣工した、ズントーの設計。
 
この建築の特筆すべきは、それ自体はもちろんそのプロセス。
ズントーは設計するにあたり、
依頼主であるプロテスタントの夫婦とその村の人達に
自分達の手で施工すること、を条件として提示したとのこと。
依頼をしたご本人さんが、そう教えてくれました。
 
借り物ではなく、それぞれの想いと共に大切にされますように。
そう、願ったのではないだろうか。
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外部に使われたコンクリートには近くでとれた川砂利と土が混ぜられ、
内部の型枠として使用された丸太材も、すぐそばの森から切り出したもの。
ぽっかりと開け放たれた中央の吹き抜けにはガラスも何もなく
雨や雪、風がふきこんできます。
※内部の全体の様子が分かる写真の掲載は控えてくださいとのことで、断片的な写真になります。
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その地の人達の手による
その地の材料を使った
その地の人達のための小さな教会。
村に住まう人々が、大切な誰かと静かに祈りを捧げる場所。
 
静かで小さなこの建築。
足音、人の息遣いへと注意が向かい、内面へと意識を集中させられる建築。
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Keep smiling!
奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(海外) | posted at 2015.10.13

中国の建築もろもろ

国土の広大さからなのか、文化の側面からなのか
日本と中国の建築への考え方や捉え方は少々異なるように感じます。
最も感じた差は視点の位置かなあと。
かなり暴力的な整理ですが
部分から考えていくのが日本的で、全体から考えるのが中国的。
ただし、どちらが良いとか悪いとかよりも、
最も重要な事は
それらミクロとマクロを自由に行き来できる感覚だと思います。
 
では写真をパラパラと。
 
オリンピックのメインスタジアム「北京国家体育場」 通称 鳥の巣。
設計はバーゼルの建築家ヘルツォーグ アンド ド ムーロンと中国のアーティスト アイウェイウェイの恊働。
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北島康介選手が金メダル獲得して「何もいえねえ」とコメントしたのはあまりにも有名。
「北京国家水泳センター」 通称 水立方
設計はPTW、オブアラップ。
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「望京SOHO」 ※SOHOとは事務所や店舗等のテナントビルの事。
設計は、現在様々な議論を呼んでいる新国立競技場の設計者に選定されたザハハディド。
イラク出身の彼女は、今後も世界の建築界を引っ張っていく重要な人物の一人です。
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北京にある複合施設「三里屯SOHO」
設計は隈研吾さん。このすぐ近くでも新しい物件の建設が始まっていました。
ここのテナントはガラガラ。
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おまけ。
北京から車で2時間弱の、蘇州の様子。
このまちは平山郁夫さんの作品にも多くみられ、水郷のまちとしてもあまりにも有名。
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keep smiling!
奥野 崇
 

category : 建築をまなぶ旅(海外) | posted at 2014.8.3

上海のリノベーション建築

先日の別荘計画の為の中国出張の際、上海で見つけた建築。
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「1933老場坊」という施設。
元々は食肉加工工場であったところで、
現在はカフェやオフィスなどがテナントとしてはいる複合施設です。
建築の文化財的価値が認められ、現在の形での保存にいたったそう。
 
この建物のおもしろいのは
作業場としてつくられたため動線計画、下階への採光計画がそのまま建築になっているところ。
螺旋状にのびるスロープで上下階がつながり、部分的にみられる階段は対をなして2つあります。
ロの字型の外周建物と、それに囲まれるように建つ円形の建物の隙間部分から下階へ光をおとす。
それらがつくりだす空間は、まるで遺跡のような雰囲気。
かつての人々の賑わいをふっと感じるからなのか、
ガラス越しでない光があたりをてらすからなのか。。。
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古い建物を壊さずに、その外観を維持しつつも、
新たな用途と組み合わせる事により価値を高めるリノベーション。
私たちも見習うところは多いです。
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※ここの空間のおもしろさからなのか、スペインの設計事務所もテナントのひとつに見られました。
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keep smiling!
奥野 崇

category : 建築をまなぶ旅(海外) | posted at 2014.7.26
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