BLOG

バンダラウェラの教会 Chapel for the good shepherd convent

IMG_8857

1962年竣工。主としては、バワの初期のパートナーであるウルリック・プレスナーの設計。

スリランカの高原地域として知られるヌワラエリヤやエッラに近いあたり、バンダラウェラにあります。

セイロンティーの中でも代表格のウバ紅茶の産地として知られるあたり。

IMG_8881

周辺はのどかで牧歌的な風景。町というよりは、村といった雰囲気。

 

IMG_8860

質素で禁欲的な印象をもちます。

あえて、というよりは、

周辺でとれる限られた建築資材のみでつくられているからかもしれません。

派手さはありませんが、一歩入った瞬間から息をのむよう。

いい建築というのは理屈抜きに心に訴えるものがあります。

IMG_8844

祭壇の上部にはトップライト。

石積みの表情をかえることで陰影がつくられます。

IMG_8831

一見、開口がないようにみえる石積み壁部分にも通風を得る工夫が。

構造も担うアーチ状の外壁と少しずらして、手すり壁が立ち上がります。

その隙間を風通しのスリットとして利用。反射光はほのかに石積み壁を照らします。

 

IMG_8861

建物の柱を利用した十字架のモチーフがみてとれます。

強烈な植物の力を感じるスリランカですが、建物周辺はなんだか優しく感じます。

 

24

23

25

小さな村にある、小さな教会。

 

それは、人々に愛されながら、慎ましくありました。

シンプルな中にも、味わい深い建築はつくることができる。

「たくさん」は、いらないのかもしれません。

 

にっこり笑うシスターの表情が印象的でした。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

ラストハウス Last House

バワの絶作となったこの建築。ラストハウス。

完成を見ることなく、バワは2003年にこの世をさります。

IMG_8745

スリランカの南の沿岸地域、タンガッラの海辺。

現在も小規模なヴィラとして利用されていますが、道路への看板やサインはひとつもありません。

車一台分が精一杯の小道のその先にひっそりと佇みます。知る人ぞ知る、といった感じ。

 

IMG_8746

道路側からは開口がひとつあるだけ。

バワの建築言語のひとつ、潜り込む、がここでも。

規模は違えど、アプローチの仕方はベントタのビーチホテルにとても似ています。

 

IMG_8781

IMG_8796

階段を上りきると、薄暗い回廊と、明るいプール付きの中庭。

コの字型に建物は配置され、

道路側とはレベル差によってプライバシーを確保するという上手い処理。

 

IMG_8799

IMG_8788

共用部分の開放的なアウトドアリビング

IMG_8789

ほどよい光量と、白のインテリアが映えるインナーリビング。

 

IMG_8798

目の前にはインド洋。それでも直接ビーチではないので落ち着きがあります。

確かに、宿泊していたヨーロピアンも年齢層は高めでした。

IMG_8802

木漏れ日と重層する外部空間の連なり。

 

IMG_8775

IMG_8783

IMG_8769

各ゲストルームにも見とれてしまうほどの綺麗な光が。

水回りの魅力はため息がでるほど。

19

17

18

小規模な建築ではあるが、つめこまれたたくさんの魅力的な空間の数々。

 

バワ自身がその場を歩きながら設計したような建築。

彼の目線の動きを追走してしまう、パーソナルな空間に彼の集大成をみた気がしました。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

 

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

カンダラマ Heritance Kandalama

スリランカの中央付近、ダンブッラのほど近く。

かつて農業用水の確保のためにつくられた、人造湖であるカンダラマ湖。

そのほとり。

言わずもがなバワの最も有名な建築のひとつ、カンダラマホテル。

 

IMG_8475

圧倒的な存在感を持つ熱帯植物に、とりこまれることを許容する建築。

 

IMG_0749

自然と一体、などという月並の表現では足らず

自然に飲み込まれるのを待っているようにも思える。

 

 

IMG_8495

IMG_8491

開放的なラウンジや、

ラキ氏による彫刻がシンボリックなレストランへの階段。

 

IMG_8427

昨年に続いての訪問だったからか

ゲストルームをアップグレードしてくださいました。

10

09

全体のアウトラインはシンプルながらも

引き戸の処理や、見え方や見える範囲の細々した調整で

豊富な空間体験がつめこまれているのがバワの特徴と思います。

 

 

二度目の滞在となった今回。

特に感じたのは、自然の移ろい。

IMG_8462

大地の明るさによって、時間流れに気づき

当たり前のように訪れる、1日の終わり。

IMG_0770

その濃度により新たな今日の日を知り、

IMG_8494

明るい陽の光による、内面からこみあげる喜びに気付く。

 

IMG_8445

圧倒的な自然を前に、建築の印象は薄くなる。

建築はより透明な存在へ。

人の原始的な感覚を取り戻させてくれる、新鮮な体験。

 

08

 

 

keep smiling!

奥野 崇

 

 

 

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

ラグーンホテル Jetwing Lagoon

昨年に続き、二回目となるスリランカ・バワ建築を巡る旅。

 

成田から約9時間のフライトを経て、ようやくスリランカのコロンボ空港へ。

現地時間で19時すぎ。気温は27℃。少し汗ばむ。

 

初日は、空港からも比較的近いネゴンボにあるジェットウイング・ラグーンホテルへ。

IMG_0690

1966年竣工。

海水がはいりこみ湖のようになった潟(ラグーン)に面します。

スリランカ初の観光客向けリゾートといわれ、バワ初のホテル建築とされているよう。

老朽化によって一度閉鎖されていたが、2012年に改修工事によってリニューアルオープン。

 

バワオリジナルが残るのは数少ない箇所のみとなっているが、

その一つであるゲストルーム「バワルーム」に宿泊。

IMG_8241

天井の高い伸びやかなワンルーム。

ベッドルームの背が高い空間、というのはあまり経験がなかったけれど、思ったより悪くない。

IMG_8235

水回りは屋根がかかってあるが、オープンエアーのドラマティックなつくり。

思わず「うわぁ」と声をあげてしまう。

身も心もリラックスできるスペース。

 

03

もちろん実測も行います。

ゲストルームの半分がオープンエアーの水回り。大胆。

02

幅の広い、あいらしい形の椅子。

 

 

IMG_8280

いいなあと思った、レストランへのアプローチ部分。

プール脇の通路から潜り込むようにはいっていきます。

IMG_8284

見返りの様子。

この形式は韓国の古い寺院建築でみたものに近いなあと感じました。

階段を一段一段あがるたびに視界が開けてきて、なんとも言えない感動があります。

明暗の振れ幅が大きくて、向こう側への期待が高まるというか。

 

IMG_8286

IMG_8296

ラグーンに開かれた気持ちの良いレストラン。

 

IMG_8323

IMG_8324

100m!あるというプール。

ゲストルームやフォリーで囲まれた、ホテルの真ん中にあります。

 

IMG_8317

バワが好んだプルメリア。

白と黄色のグラデーションが綺麗。

良い天気。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

 

 

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

スリランカの旅を終えて

IMG_9096

ジェフリーバワの建築を巡る、スリランカの旅。

 

昨年の視察でみられなかった、いくつかの実作をみることができました。

また、建築と、気候や風土・歴史や現地に暮らす人々との関係を肌で感じるのも重要なポイント。

少しずつ、ですがまとめていこうと思います。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

再び、スリランカへ

IMG_0683

昨年に続いて、再びのスリランカの建築視察へ。

前回に見られなかったジェフリーバワの建築を求めて。

多くを学んできます。

 

keep smiling!

奥野 崇

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

修学院離宮

IMG_8206

修学院といえば離宮。

17世紀中頃、後水尾上皇の指示によって造営されたものです。

当日の見学願いにも、運良く空きがありすべり込めました。

ずっとみてみたかった、修学院離宮。

 

その壮大さに感動。

IMG_8107

IMG_8198

IMG_8158

全体構成の大胆さはもちろんですが、

部分においては強引なところもあるような。

 

3

設計において、ちまちまと悩んでいたことも

これでいいんだ、と力を頂いたようでした。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

先人の美学にふれる

昨日、一昨日は大阪と京都へ。

 

IMG_7953

最初に、池田にあります即庵さんへ。

 

工事進行中のお茶室の参考にさせて頂くべく、西渕工務店の藤原棟梁と同行。

気がつけば、私は3度目の見学。

担当の飯西さんには、都度お付き合い頂きまして感謝しかありません。

IMG_7929

やはり作り手である大工さんの視点は違うなあ、と。

いろいろと私も勉強になりました。

 

行きましょう、と言ってくださった西渕社長、

段取りしてくださった竹本監督、

忙しい中時間を割いてくださった、藤原棟梁。

ありがとうございます。いい建築にいたしましょう。

 

 

IMG_8024

続いては、祇園にあります三浦照明さんへ。

 

和風のすっきりした照明に惹かれて、思わず購入させて頂いた縁。

代表の三浦さんともお会いでき、お話しを伺えました。

同じくお茶室まわりへ使わせて頂きます。

IMG_8038

手づくりの現場。ひとつひとつ作ってくださる。

わくわくしてしまい、写真を一枚。

 

 

IMG_8048

次に、修学院の唐長さんへ。

 

京唐紙をつくり続けておられる専門店。

建主さんも同行しての打ち合わせとなりました。

IMG_8051

伝統文様の数々。

わずかな光に反応する雲母の美しさ。

今のように照明がなく、蝋燭のわずかな灯りを扱う。

 

先人の美学にふれた気がしました。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

内子の夜

土壁のことを勉強に、内子の矢野左官さんへ。

重要文化財の改修にも携わっておられる氏。

たくさんの時間を頂きました。ありがたいこと。

IMG_7875

表へでると、陽が落ちてすっかり夜に。

昼しかみたことのなかった内子の町並みはしっとり。夜も良かった。

必要以上にてらさないこと。

心地よい暗さでした。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

CATEGORY : 建築をまなぶ旅 

緑が入る

丹原の家では、植栽工事が始まりました。

IMG_7720

いつもお願いしている仙波農園さんの手により、

前庭、続いて内庭と進んでいきます。

カクレミノ、ソヨゴ、ヤマボウシ、柊、米栂、イロハモミジ、ドウダンツツジ等。

「洋木をできるだけ使わず、日本に自生する樹木の組み合わせによって現代の庭をつくりたい」

とは仙波さんの言葉。

IMG_7725

見え方優先で流行りの木をポコポコ植えることなく、

樹木のことを生き物として真っ直ぐに捉え、それぞれが生き存える環境を整える。

自然の摂理に逆らわないこと。

植栽も建築も同じだなあ、と思う。

 

003

内部では家具の搬入も終え、新たな暮らしが始まっています。

新調した濃紺のソファ、緩やかなカーブの天井、やさしい卵色の壁、窓辺の緑、暖かい陽の光。

 

幸せな空気で満ちていました。

 

 

keep smiling!

奥野 崇

CATEGORY : 現場進捗