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建築をまなぶ旅

古きに学ぶ

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週末は、四国の山奥へ。

大歩危よりさらに奥、祖谷地域の中にある篪庵(ちいおり)へ。

築300余年といわれる、古い民家を改修して宿泊できるようになっています。

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現代的な使用に耐えうるように、骨組は残して大部分は改変されていますが

往時の様子は伺い知ることができます。

 

扠首(さす)構造でつくられた屋根は、分厚い茅で覆われていて

外壁は土壁をヒシャギ竹で保護した大壁となっています。

茅葺の民家をこんなに近くでみて、また滞在するのは初めて。

詳細部分を観察すると、大変勉強になりました。

 

材料は近くで調達できその特性にあった使い方を。

固い材料の逃げを、柔らかい材料でとる。

人の日々の営みである、囲炉裏での煮炊きによって

防虫、防腐、防草効果を生み出し、結果建物の耐久性をあげる。

なるべくして、なったという納得感。

先人から学ぶことは多い。

 

以下、写真やスケッチを並べてみます。

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奥野 崇

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宇野千代さん生家

廿日市での打ち合わせのあしで、岩国にある宇野千代さんの生家を訪ねました。

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多才で常に進み続けたその生涯とは裏腹に、とても静かで穏やかな住まい。

軒下の高さが1500mmほどで、

縁側に腰掛けるとちょうど良く、たくさんのもみじと苔のシンプルな庭を眺められます。

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東京に拠点を置きながらも故郷への想いは強かったそうで、

帰郷されると縁側にちょこんといらっしゃったそう。

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あなたに似ているから、と勧められて手に入れたという仏頭。

生前の宇野千代さんと、20年過ごしたとの管理人さんがいろいろとお話ししてくださいました。

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茶の間からみた庭。

新緑の季節のもみじの林は、眩しく、元気な子供のようなんだそう。

見てみたい。

 

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奥野 崇

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鞆の浦にて

春の訪れを感じる穏やかな日に、福山市の海岸地区、鞆へ伺いました。

国立公園にも指定されている風光明媚なところ。その地形からか、歴史的にも重要な地区でありました。

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こじんまりとした湾を囲む港町。

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町の一部は建物がそのまま使われており、往時の様子を伺いしれます。

 

 

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人の暮らしに自動車が入り込んでくるより前の、スケール感が残ってあります。

通りへ各住戸が少しづつはみ出しているようで、たのしい。

建物も必要以上に大きくなくて、身近に感じます。

こういう暖かな情景はいいなあ。

 

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ちょうど、町並みひな祭りの最中だったようで、玄関先に手作りのおひなさま。

重ねてたのしませて頂きました。

 

 

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奥野 崇

 

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栗林公園からおもうこと

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高松での打ち合わせにあわせて、栗林公園へ。

朝晩の気温は下がってきましたが、お昼の陽気は気持ちいい。

 

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回遊式庭園の中に点在する建築。

圧倒的なスケールで構成される庭園の中において、

建築の役割は、周辺に馴染みながらも、

どこか外部との距離をもった懐をつくることだったのかもしれません。

それは濡縁だったり、背の低い手摺だったり、垂壁だったりによってもたらされる。

 

外と近しい関係ながらも、落ち着ける居場所をつくる。

このところの興味はそこにあります。

 

 

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奥野 崇

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高山寺石水院

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出張にあわせて向かったのは、栂尾にある高山寺。

その中にある石水院を見てみたかったから。

 

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外周部は壁がなく、跳ね上げ式の蔀戸で覆われる。

これだけ開放的なのに、なんとも落ち着くもの。

 

畳の間、縁、濡縁と内外の層が連続する明暗のグラデーションからか。

蔀戸の抑えや、簡素な仕上げ、大きすぎないサイズからか。

 

ここには、人の居場所としての建築があるような気がする。

 

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それ以外にも思わず足をとめてしまう瞬間があった。

 

 

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奥野 崇

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植物について

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植物は強いと思う。

人がつくったものなど、ものの数年で飲み込んでしまうのだろう。

その「怖さ」のようなものに、魅力を感じ、足を止める瞬間があります。

 

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奥野 崇

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今治、河野美術館へ

先日、今治の河野美術館へ寄らせて頂きました。

 

今治出身の実業家、故河野 信一氏の寄贈による美術品を展示しており

敷地内には河野氏の邸宅から移築してきた、妙喜庵の待庵写しと、広間の柿ノ木庵とがあります。

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蹲周辺。

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腰掛待合の下地窓。

 

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柿ノ木庵の広縁。

木漏れ日と、畳の反射による天井の照らしあげが美しい。

陽から闇への振れ幅の大きさ。

闇をもって光を感じる瞬間。

 

 

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奥野 崇

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四国の山で

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涼を求めて。

夏の四国カルストへ。

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石灰岩がつくる独特の風景。植生。

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吹き抜ける風は心地よく。

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標高1300m。空が近い。きれい。

 

こんな特別な風景を目の当たりにして。

建築は万能ではないのかもしれないけれど、

その美しさの一片でも取り込められたら、と思うのは欲張りなのだろうか。

 

 

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奥野 崇

 

 

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メキシコの旅4 カミノレアルホテルとサン・クリストバルの厩舎

メキシコシティでは、レゴレッタの約50年前の仕事、カミノレアルホテルへ宿泊。

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もちろん部分的な改修はなされていますが、色褪せないその姿に感銘をうけます。

 

 

続いて、バラガン視察。

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バラガンは最後期の前の約10年、建築の世界から離れてしまいます。

その直前の仕事、メキシコシティの高級住宅街にあるサン・クリストバルの厩舎。

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バラガンのおもう理想的な暮らしとは、馬と共にあるものだったよう。

人の住まう住宅と、馬の厩舎、人と馬の為の乗馬のスペースがまとめられています。

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キャリアの初期は機能主義的な仕事を行ったバラガン。

ある時期からは、自分の想う建築のみをつくる、と皆に宣言し取り組んだ仕事。

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シンボルツリー的なパドック、馬の脚を冷やすプール、馬に乗ったまま通り抜けられる仕切り壁。

建築に求められる機能は満足しながらも、息をのむような美しい瞬間をつくる。

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折り重なりや色彩、縮小と拡大など

様々な技法によって唯一無二の空間をつくったバラガン。

その上で最も大切なのは、彼の思想と思っています。

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建築には機能を超えて、心に響く空間をつくることもできる。

対峙するものではなく、ある種、人を支配するような世界をつくりうる。

バラガンの建築を体験して、

その内向的で詩的な空間に、彼の精神性をみた気がしました。

 

 

※メキシコの旅、一連のスケッチと写真をまとめました。

ブログでは書ききれていないものもあります。

リンクのページに整理しましたので、ご興味あればご覧頂ければと思います。

 

 

 

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奥野 崇

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メキシコの旅3 プリエト・ロペス邸

バラガンは建築家でありつつも、宅地分譲を行うデベロッパーでもありました。

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溶岩だらけの荒野を、自身が開発した分譲地内に建つ個人住宅。プリエト・ロペス邸。

何人かのオーナーの所有の間に窓や外壁色の改変工事もあったようですが

現在のオーナーはオリジナルに戻す工事を行い、それがひと段落したとのこと。

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そう大きくないエントランスから

大空間の予感はさせながらも、腰壁によって見通せない。

テイストは違えど、アアルトのマイレア邸に近い感覚を覚えました。

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のびやかな住宅。

小梁が連続して並ぶ天井は、日本の建築ともそう遠くない印象。

塗り込められた梁が、小さな垂れ壁のようで、

空間が重層していることを強調しています。

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詩的なバラガン邸に比べ、全体が明るく陽気な雰囲気。

家族と共に過ごす楽しい気持ちになります。

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天井の高さ、建具枠、家具の大きさなど

全体の寸法が大きめにつくられており

空間サイズの比率にあわせて拡大したよう。

 

空間比率によって見付寸法を調整する手法は

吉田五十八先生の住宅でもみられたことを思い出す。

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キッチンやパントリーにはトップライトが設けられ

スポットライトのように照らします。

薄いピンクのタイルと、濃い赤の食器棚。

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庭には開発当時の溶岩をそのままに、野趣あふれるつくり。

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複数の人々で過ごすことを前提にした明るい住宅。

瞑想的な空間をつくるバラガンの仕事としては、少し意外。

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奥野 崇

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